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星組日生劇場公演「雨に唄えば」制作発表
会見詳細(1)

植田紳爾理事長

昨年に続いて日生劇場で公演ができることになりました。東京宝塚劇場とは壁1枚を隔てたぐらいの近さなので、同じ傾向の作品はできないというのが昨年の悩みでした。その結果、昨年は「風と共に去りぬ」になり、ことしの第2回につながった。
さあ、ではその第2回は何をやるか−は宿題になっていたが、ともかくブロードウェイ・ミュージカルだと思っていた。
演出の中村一徳や翻訳・訳詞の高平哲郎さんには、隣(東京宝塚劇場)でやるようなものではないミュージカルにしてくれといった。
「風と共に去りぬ」は、専科や上級生で固めることで宝塚の「力」を見ていただいた。今年は宝塚の未来を占うような若手に任せたいと思い、公演スケジュールをみると安蘭けいと月組から宙組に異動する(谷間の時期の)大和悠河の出演が可能だった。星組の公演に宙組の大和という顔合わせは、最初で最後かもしれない。2人とも必死になってやってくれると思う。
さらに次の日生劇場公演につながるようなものになればと考えます。

中村一徳(演出)

人気のブロードウェイ・ミュージカル作品です。宝塚版の見どころは、1、2幕、それぞれの幕開けに歌をつけ加えた。フィナーレをつけた。踊りの構成も変える−−などが、楽しんでもらえるのでは。あまりにも有名な映画の場面は、映画の雰囲気を壊さないようやるつもり。
安蘭が、映画のジーン・ケリーの役だが、映画よりは年齢の設定を下げます。タップはふんだんにちりばめる。
大和がやるコズモは、芸達者の役柄で、大和は独特のコズモを作り上げると思う。
真飛は今回女役。歌のへたな女優という役はかえって演技力が要求されるのでは。ヒロインのキャシーは陽月華。未知数だがかわいらしいキャシーがみられるのではと思っている。
この日生劇場という舞台で、宝塚のミュージカルの実力を発揮できるよう励みたい。

高平哲郎(翻訳・訳詞)

宝塚の仕事は初めてです。
「雨に唄えば」のミュージカル版は、実は1983年のトミー・スティール主演のロンドン版はおもしろくなかった。平成8年に松竹がこの劇場で上演する際に、翻訳を頼まれ、すべてをチェックしてみたらほんとうは実にすばらしいミュージカルであることが分かった。
今回、改訂版ということで話がきたが、8年に僕が直したもので十分。そのうえで宝塚流にアレンジする中村さんのアイデアがおもしろいので、8年のものより、さらにいいものを作ってもらおうと思っている。
僕は本職は演出家なんだけど、翻訳ばかりが続いている。今回はともかく、気持ちを中村さんに託したいと思います。

一問一答

−−雨の場面は本当の水を使うのか? それから、タップダンスはどの程度? フィナーレは?

中村 本物の水を使います。1幕の終わりなので実際に濡れるように考えています。
タップは現在レッスンをしている最中です。宝塚の場合、群衆でのタップの場面はよくあるけれど、今回は3人ぐらいで踊るので1人の技が問われる。このあたりは振り付けの先生に託してキッチリやりたい。
フィナーレは元々のものに宝塚的なものを合成しようと思っている。

−−昨年の「風と共に去りぬ」の劇伴奏は、生の楽団ではなく、テープを使用したが

中村 今回は生の楽団を使います。もともとの譜面が15人編成で書かれているのでそういう編成になる。場面によっては、楽団の姿を見せて芝居をすることになると思う。

−−安蘭けい、大和悠河というキャスティングの理由は?

植田 5月にはどの組のスケジュールが空いているのかということから始まって、まず安蘭。組替えで大和が空いていたのでそれならと。このふたりが決まってから、作品を選んだ。

−−ほかの出演者はオーディションで決めたのか?

中村 だれが適役かは考えたが、オーディションではなく、こちらで今までの実績と力を考慮して選んだ。


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3月19日(水)
text and photo by 石井健
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OG情報 演劇一般のほうに掲載
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