SUMiRE STYLE  春麗の淡き光に STAGE GRAPH

 

源頼光が去ると若狭がもうひとりの兄、頼信(壮一帆)と現れる。頼信の「朱天童子はいませんか?」の問いに鬼童丸は「たった今…、亡くなりました。童子の好きだった笛を吹いて手向けてください」とふたりを崖下へと誘う。若狭の笛に合わせて歌う保輔を春の淡い光が包む。桜が、はらはらと散る。花は咲き、花は散る。しかし、花はまた咲く。これはやはり、人間の再生の物語。復讐の鬼と化してなにもかも失った野依知親が、憎い敵の保輔を斬れないことで新しい人生に踏み出したこともそうだろう。春の淡い光に照らされて、桜の花びらが白い軌跡を描きながら静かに舞う中、保輔も一歩、二歩と新しい人生に向かって歩き出す。

 

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宝塚歌劇団雪組東京公演
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