SUMiRE STYLE  春麗の淡き光に STAGE GRAPH

 

源頼光の刀が斬ったのは、保輔のまげだけだった。頼光は鬼童丸に指図する。「遺体を崖下に捨てよ。不浄のものだ。あとは誰にも見せてはならぬ」。そして頼光は保輔に声をかける。「そこの法師。菩提をあつく弔っておいてくれ」。それから高らかにときの声をあげる。「討ち取ったぞ!朱天童子を討ち取ったぞ」。頼光はなぜ、保輔を救ったのか。友情や同情なのか? そうではなく、保輔の思いを受け取ったからこそではないか。かわって貴族政治を打破し、武家社会を作る。その過程の証人として保輔に生きていてほしかったのではないか。日本物ならではの、硬質な男と男の物語であるというわけだ。

 

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宝塚歌劇団雪組東京公演
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