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花組   蘭寿とむ    
03.10産経新聞夕刊(東京) 田窪桜子


 らんじゅ・とむ 平成8年、「CAN−CAN」で初舞台。下級生のころから堂々とした舞台姿、存在感で注目を集める。「タンゴ・アルゼンチーノ」の新人公演ではジャンを好演。次作はバウ・ロマンス「マノン」(5月12−18日、日本青年館大ホール)に出演する。

 「ルートヴィヒII世」の新人公演で演じたグッデン博士は、12年間、ルートヴィヒ(新人公演は彩吹真央)がパラノイアだということに執着して追い続けた精神科医です。真実をつきとめようとしたグッデンと、本当の人間とは何かを追い求めたルートヴィヒ。2人の関係を描く中で、何が真実かを問いかけられたらと思いました。

 グッデン博士はルートヴィヒを研究すればするほど内面を知りたくなったのでしょう。ルートヴィヒ役の彩吹さんが内面をじっくりつくっていたので、余計にそう感じました。

 こういう敵役的な、”黒い役”といわれる役柄は「イメージ通り、似合うね」とよく言われます。だからこそ、それだけで終わらないような存在感をどう出すか悩みました。

 本公演で演じていらっしゃる匠ひびきさんの舞台を見て、しぐさや目の使い方、葉巻の吸い方などを勉強しました。役づくりではあえて匠さんと変えようなどと考えず、脚本に忠実に自分の中でちゃんと消化してつくるようにしましたね。

 銀橋でたったひとりで歌うのも初めてだったんですよ。ライトがまぶしくて、何も見えず真っ白な世界。「スターさんのライトってこんなにすごいんだぁ」と感動しましたね。今後は、蘭寿にこんな役がというタイプの役をきちんと演じて、意外性も出していけるようになりたいです。


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