社会派作品が好きで、映画監督を目指していた大学2年のとき「ウエスト・サイド物語」に出合う。「演劇の勉強ができる就職先が宝塚だった。そこで、ミュージカルを通じてもメッセージを伝えることができることを学びました」
近年はショーの作・演出が中心。生徒のマネジメントやビデオ、CDのグッズ製作などを行う関連会社、宝塚クリエイティブアーツの社長も務める。
「芝居は前衛的なものがあってもいいが、レビューは宝塚のトータルイメージを壊さないようにという宿命がある。プロも初めての人も、どの国のどんな世代の人が見てもグレードの高いものを目指しています」
「With a Song in my Heart」は、「サウンド・オブ・ミュージック」や「王様と私」などで知られる作曲家リチャード・ロジャースの生誕100年記念作品。
「米国らしい明るく健康的な音楽。数多い楽曲の中から、世界に一つしかない宝塚の魅力を生かせる曲を選びました。癒やし系の作品と思ってください」
多彩な名曲が次々と登場する中、紫吹淳のチャイナドレス姿は賛否両論だったとか。東京公演ではロジャースにオマージュをささげたオリジナル曲を追加。メドレーの内容も変わる。
「リカ(紫吹)のきれいな足を見せて新しい魅力を出そうと思った。スタッフも緊張感を持って挑戦しないといけない。宝塚は今や日本オリジナルなもの。日本の文化発信となれるレビューを作り続けたい」