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倉田真由美さんに聞く
(1)就職活動全滅「必要な階段」
10月26日(木)東京朝刊 by 竹中文
《“駄目男”にばかり好意を持つ女性を主人公にした漫画「だめんず・うぉ〜か〜」が大反響。駄目男で鍛えた眼力は、恋愛を見据えるだけでなく、ときに、政治や外交問題に向けられることも》

漫画家・倉田真由美さん=東京都千代田区大手町・東京産経本社(撮影・瀧誠四郎)

−−「だめんず−」は自身の投影ですか。
倉田 20代前半のころに駄目な男とつきあったのが原体験になっています。

−−つきあったのはなぜ?
倉田 自分自身の好みを知らなかったから。振り返れば、好きになりきれていなかった。今の私なら、会話の誤差がなく、体力、精神力があり、怠け者でないことなどが条件です。

−−漫画を描く今の原動力は。
倉田 やじ馬根性。さまざまな価値観に触れてみたいという好奇心です。「だめんず」を描くために取材した女性は約200人。読者にも価値観を見つめ直す機会を提供できればうれしいです。

−−ところで、学生時代は会社員になろうと考えていたそうですね。
倉田 就職活動をしたけれど1社も通らなかった。

−−そこで漫画を。
倉田 でも奮起するというほど頑張ろうとは思っていませんでした。消去法で選びましたから。選択肢って必然的に狭くなる。自分がやれそうなことのひとつが子供のころからずっと描いていた漫画でした。

《大学を卒業した平成7年、青年漫画誌「ヤングマガジン」でギャグ大賞を受賞しデビュー》

−−受賞が転機になった。
倉田 そうですね。やれそうなことを見つけられたから。自分の資質と、やりたいことは合致しているわけではないこともわかった。

−−具体的に言うと?。
倉田 例えば、大学で学んだ知識を生かそうと会計士になろうかなと考えたことがあった。今、思えば、とんでもない。当時の自分を指さして笑いたいですよね。「会計士!」って(笑)。でも若いころは、今では考えられない目標が頭をよぎることが、あるわけですよ。

−−悔いはないですね。
倉田 落ちた過去は必要な階段でした。幸せを手にいれると、失敗は全部、輝いてくる。まさに故事の「人間万事塞翁が馬」。

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【プロフィル】倉田真由美
くらた・まゆみ 昭和46年7月福岡市生まれ。平成7年に一橋大学卒業後、「ヤングマガジン」でギャグ大賞を受賞し、漫画家の道に進む。平成12年から、週刊誌「SPA!」(扶桑社)で、漫画「だめんず・うぉ〜か〜」を連載している。著書は「くらたまのお蔵だし」(同)、共著に「ダメだ!この会社」(小学館)など多数。新聞やテレビ、雑誌のコメンテーターとしても活躍中。