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映画「吉祥天女」
鈴木杏、妖艶なヒロイン役に苦難
6月24日(土)  大阪夕刊 by 文・広瀬一雄/写真・安元雄太
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もっとも本人は「体を動かすのが好きなので、すごく楽しく、気持ちよかった」と笑顔。その後、男たちをじわじわと破滅に追い込んでいく方が実は怖いのだが、サスペンス的要素もさることながら、「由似子と小夜子、涼と小夜子が作り出す、青春映画の要素が伝われば。さわやかさだったり、青春と呼ばれる時期独特の思い。そういうところも見てほしい」という。特に、小夜子と由似子の友情の描写は原作より深い。

由似子(本仮屋ユイカ、右)は、不思議な魅力を持つ小夜子(鈴木、左)に憧れる=(C)2007 吉田秋生・小学館/「吉祥天女」製作委員会
由似子(本仮屋ユイカ、右)は、不思議な魅力を持つ小夜子(鈴木、左)に憧れる=(C)2007 吉田秋生・小学館/「吉祥天女」製作委員会
素顔は20歳の大学生。「今はほとんど毎日大学に通っています。両立は大変です」。でも勉強して、友達とのんびりする学校生活は楽しい。「大学生って、ドラマではさわやかに描かれる。でも実は違うんだなって。休み時間には何をするわけでもなく、もんもんとしているっていうか…。大学にいってなければわからない。リアルな大学生の役がやりたくなりました」

「小夜子の役は、すごくいいチャレンジだった。陰と陽に分ければ陰。こういうタイプの役をもっとやりたい。でも、どうしていくかは自分次第なので、怠けてはいけないと思っています」。常に課題を持ち、吸収していこうとするそのひたむきさは、やはりプロの女優だった。

吉祥天女は30日からテアトル梅田ほかで公開。同劇場では、7月1日午前9時40分からの上映後に本人が舞台あいさつ。

好きな言葉は?
好きな言葉は?といわれ、色紙にサラサラっとかわいい文字で書いた。「なせばなる。なんとかなる。…」。体当たりでいろいろな役に挑み、若手のトップ女優として成長し続けていることを感じさせる言葉だ。

はきはきと、しっかり話すその表情から受けるのは、とても聡明(そうめい)なイメージ。さらに過激なアクションシーンのことに話が及んだとき、「本当は格闘技を習いたかったんです。小さいころ、(アニメの)ドラゴンボールが大好きで。でも、格闘技を習う前に、このお仕事を始めてしまったので…」と話す様子からは、天真爛漫(らんまん)さも見て取れた。

それでも話しているうちに、これまでの役と正反対の叶小夜子役にとことん悩み、暗中模索しながら挑んできた、等身大の20歳の女性の姿もかいま見えた。そのことで、より好感が持てたような気がした。

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プロフィル
すずき・あん 昭和62年生まれ。東京都出身。9歳のときにテレビドラマで子役としてデビュー。平成12年には「ヒマラヤ杉に降る雪」でハリウッド映画に出演、14年のアクション大作「Returner リターナー」で、日本アカデミー賞の新人俳優賞と話題賞をダブル受賞し、早くから女優として注目を集める。舞台でも15年に「奇跡の人」や、蜷川幸雄演出の「ハムレット」でオフィーリアを務めるなど幅広く才能を発揮し続ける。映画出演は2年ぶりとなるが、今年だけで「吉祥天女」、「監督・ばんざい!」(公開中)、「椿三十郎」(12月公開予定)の3本に出演する。




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