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ENAKが観た映画「ダイ・ハード4.0」
円熟 だけど枯れない だから永遠のヒーロー!
     by 久保亮子
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私が注目したのはマクレーンと若者たちとの関係性。

マクレーンの娘ルーシーは大学生になっていて、久しぶりに会った父親に向かって「私と話したくなったら、“私から”電話をするから」と平気で毒づく。

(C) 2007 Twentieth Century Fox All Rights Reserved.
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事件解決の“相棒”になる天才ハッカーのマットもまた若い。

「あんたの時代って、まだはマイケル・ジャクソンは黒かった?」。やっぱり毒づかれてしまうマクレーンだが、あっさりと答える。「黒かった」

同様にシリーズ復活を果たし、“締めくくり”となってしまった「ロッキー・ザ・ファイナル」(シルベスター・スタローン主演)にはロッキーが息子を諭す場面もあって、いささか湿っぽさもあったが、こちらマクレーンは若者たちに毒づかれながらもひょうひょうと彼らを愛す。

つまり、マクレーンは相変わらず不器用だが心は熱い。だから男性は彼に共感を覚えるのだろう。

(C) 2007 Twentieth Century Fox All Rights Reserved.
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「ロッキー」のほかにも「ランボー」「インディー・ジョーンズ」とベテラン勢によるシリーズものの復活の話題がにぎやかだが、幅広い世代が共有しているヒーローの背中は、私たちの期待をを裏切らないのだろう。

だが、この「ダイ・ハード」最新作の魅力はそれだけではなく、マクレーンが年を重ねても、あの1作目で超高層ビルの中を、時に右往左往し、時に縦横無尽に暴れ回ったマクレーンとなんら変わらないキャラクターであり続けていることにあるのではないか。

そう。マクレーンは枯れてなんかいない。だけど円熟味を増している。若者たちとのやりとりは、彼の円熟味をとても強く感じさせてくれる。しかもシリーズものだから、その円熟味はますます味わい深いというわけだ。

ウィリス本人も「第1作に近い出来」と、この最新作には自信をもっているようだが、いや、アクションだけならシリーズを通して最高に過激だ!

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「ダイ・ハード4.0」
29日(金)、日劇1ほか全国ロードショー
公式サイト

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