韓流シネマ・フェスティバル、六本木で開幕
映画「卑劣な街」 俳優、チョ・インソンに聞く
東京朝刊 by 戸津井康之
そんな時にユ・ハから誘いが来る。軍事政権下の鬱屈(うっくつ)した高校生の青春を描く「マルチュク青春通り」で人気俳優クォン・サンウを本格アクション俳優として開眼させた手腕で知られる監督の指名に彼は喜び、新境地を開く可能性を見いだす。

三流暴力団の若頭。「卑劣な街」での役柄はこれまでの作品と一線を画する。髪を刈り込み、肩をいからせて歩き、粗暴な言葉を吐き棄(す)てる。
「僕の中にはないものばかり。監督と相談しながら時間をかけて役作りをしていった。難しくしんどい作業でしたがこれまでで最も刺激的だった」
長身を生かした回し蹴(げ)りや跳び蹴りなどアクション場面は圧巻だ。得意のテコンドー(3段の腕前)にアクション演出の技法を習得し、田舎の方言も覚えた。「暴力団員の悲哀を演じ切るため、今までにない演技を試みた」と強調した。
次回作もユ・ハ監督とのタッグ。時代劇でさらなる新境地を目指すという。「俳優として枠にはまりたくない。どんな役柄も受け入れられるよう開かれた存在でありたい」
映画祭は来月12日まで開催。21作品が上映される。
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