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映画「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」 
“侍ギャング”世界へ 三池崇史監督に聞く
    東京朝刊 by 岡田敏一
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やはり、世界市場を狙った?

現場はギャンブルのようなもの」と語る三池崇史監督
現場はギャンブルのようなもの」と語る三池崇史監督


「そうでもないんです。狙って作っても西洋人には届きませんから。むしろ日本人に字幕で見せる西部劇という印象を与えたかった。せりふもわざと味のあるジャパニーズ・イングリッシュにしました。発音がネイティブだとその時点で邦画でなくなりますから。英語でしゃべるからみんな動作も外国人みたいになっちゃってね…」

とはいえ、ハリウッドの鬼才、ロバート・アルトマン監督のカメラマンを務めた栗田豊通が撮影担当とあって、作品の質は立派な世界照準。

「米でのし上がった人ならではの徹底した実力主義ですよ。『あいつ、いいヤツだけど下手だからクビ』ですから。人情なんて関係なし」

「現場はギャンブルのようなもの。役者には予想外の反応を求める」というのが持論。源氏ギャングの豪傑役、石橋貴明の終盤の怪演もそうしたポリシーの産物かも。

英語ならぬ映画で会話する仲のクエンティン・タランティーノ監督も伝説のガンマン役で登場する。彼が若き日のルリ子にたどたどしい日本語で「豆腐が絹ごしだろ!」「すき焼きの甘みは白菜から取るんだ!」と怒ってちゃぶ台をひっくり返す場面には大笑いしてしまった。

「4000本売れたらモトが取れるVシネマの世界で長く仕事をしたので、低予算を知恵で補い、面白かったら何やってもいいっていう製作ポリシーなんですよ」

バッド・グッド・ムービー(スカした芸術系映画)よりグッド・バッド・ムービー(良質なB級娯楽映画)を標榜する監督ならではの快作。北島三郎が熱唱するエンディングのテーマソングが胸に染みる…。

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