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「アーサーとミニモイの不思議な国」
フランス発 反骨ファンタジー
    東京朝刊 by 岡田敏一
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「若い頃は自分より年長者に向けて突っ張った作品を作ったが、年を重ねると年下を相手にせねばならない。という訳で今回、子供のための作品を手がけたんだ」

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リュック・ベッソン監督
といっても大人だって十分楽しめる質の高い内容。何より、ハリウッドの物まねではなく「欧州のアイデンティティにこだわった」(監督)製作ポリシーにひかれる。

本作で一番訴えたかったことは想像力の大切さだという。

「インターネットやビデオゲームのせいで子供たちの想像力が欠如している。小さい頃、石ころでよく遊んだよ。僕の想像力で石ころは宇宙船にもトラックにも飛行機にもなった。今の子供たちは石ころは永久に石ころで、トラックに飽きたら別のおもちゃをねだるんだ。悲しいね」

金もうけがすべての米国型市場原理主義へのアンチテーゼの意味合いもある。「無知な投資家がしゃしゃり出てきて映画製作から自由を奪っている。米の映画スタジオでは創造的な人々がどんどんクビになり、見渡せば法律家や会計士や銀行員ばかり。創造的な作品が生まれるわけがない。株価が上がれば何やってもOKっていう恥知らずが多過ぎるんだ」と手厳しい。

「世の中、そんな人間ばかりになったら、未来の子供たちに申し訳が立たない。だからこの映画を作ったんだ。自然を大切にして想像力豊かに育ってほしいとの願いを込めたんだよ」

児童ファンタジーというスタイルをとっても、反骨の精神に変わりはないようだ。

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