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2007/10/■ 　□□□□■

バンダイの商品開発に全面協力した包材メーカーの川上産業（名古屋市）によると、プチプチが“多角化”したきっかけは、ネットオークションの普及だという。個人が商品発送のために梱包材を使う機会が増え、一般消費者向けの製品開発が加速した。ギフトの包装に使えるハート形などの変わり種が引っ張りだことなっている。

「プッチンスカット」やカレンダーに囲まれるプチプチ文化研究所の杉山彩香所長

「プチプチ」は川上産業の登録商標ということもあり、昨年８月に『プチプチＯＦＦＩＣＩＡＬＢＯＯＫ』（エンターブレイン）を刊行し、緩衝材以外の活用法を積極的に紹介。同社が運営するネットショップでは、カレンダーにプチプチを組み合わせて、日付部分をつぶせるようにした商品などを販売している。

また今月１７日には１０センチ四方の気泡シートを１０枚詰め合わせた「プッチンスカット」（税込１９１円）を全国のファミリーマートで売り出す。キャッチコピーは「ひまつぶし専用」だ。

「かわいい商品を作って一般の人にも親しみを感じてほしかった」と同社の私的研究機関「プチプチ文化研究所」の杉山彩香所長。指先の運動のために、まとめてプチプチを購入する高齢者施設も出てきたそうだ。

人が気泡シートをつぶしたくなるのは、「穴があれば指を入れたくなるし、飛び出ているものは押したくなるのと同じ」とバンダイの高橋さん。心理学では「アフォーダンス」と名づけられているそうだが、いわば“人間の性”なのである。

仕事場のパソコン横に気泡シートを常備する放送作家の加瀬清志さん（５４）は、その魅力を「必ずつぶせる『達成感』にある」と説く。「文章を書いていて行き詰まったときに、端からつぶしていくと楽しくなる。気分転換やストレス解消法はさまざまだろうけれど、私はもっぱらプチプチです」

ばかばかしくても、やめられない…そんな人間心理を突いたユニーク商品の人気は当分続くかもしれない。

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