１日１ページ、ひと言メモ…自由自在

０８年版手帳　ノート化進む　

2007/10/19　産経新聞 　東京朝刊　by　海老沢類

ビジネス手帳でも事情は同様だ。

日本能率協会マネジメントセンター（東京、ＪＭＡＭ）は１０月、システム手帳向けの「プライベートリフィール」を発売した。読書リストや旅行の行程、ちょっとしたひと言を記すメモなど計６種類。開発第１部の田中幸男さんは「『ワークライフバランス』という概念が浸透し、プライベートを意識した働き方をする人が増えてきた。手帳も単に時間管理だけではなく、身近なことを記録するツールとして使われるようになっている」と説明する。

同じ理由で、スケジュール欄を縦に区切った「バーチカルタイプ」も人気だ。スケジュール欄を広くとり、プライベートな計画やメモなどを時間軸の中に豊富に書き込める。横書きに適しているため欧米では主流だったが、ここ数年国内でも導入するメーカーが増えてきたという。

自由記入スペースの充実に伴い、大型化も進んでいる。

ＪＭＡＭは今年から、縦長の「ペイジェムアティーナ」に文庫本サイズのＡ６判を追加した。「男性でもスーツの内ポケットではなく、かばんに入れて持ち運ぶ人が増えている」ことを考慮し、窮屈だった日記欄を広げた。

渋谷ロフトも大型タイプの品ぞろえを増やしており、教科書サイズのＡ５判の売り上げは前年比２倍のペースで伸びているという。

ＪＭＡＭによると、手帳の国内市場規模は約１億冊で、ここ数年は微増傾向にある。ＰＤＡ（携帯情報端末）や携帯電話などスケジュール管理機能を持つデジタルツールもあるが、「時と場所に応じてデジタルとアナログを使い分ける人が多くなっている」とＪＭＡＭ販売促進部の二宮昌愛さん。手書きが見直されていることも追い風となり、手帳の多様化はますます進みそうだ。

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