国内の売買は違法/有効な対策は「無視」
海外宝くじ勧誘 高齢者を狙い撃ち
2007/10/30 産経新聞
東京朝刊 by 田辺裕晶
センター担当者は「契約を結びやすい高齢者のリストが出回っていると思われます。ターゲットに大量のDMを送りつけ、少額の小切手や模造アクセサリーをたまに送って『今度は当たるんじゃないか』と期待感を継続させるなど、手口が巧妙化しています」と話す。
最近は宝くじだけでなく、簡単なパズルや設問に答えるコンテストを実施していると称して、その参加費用として手数料を求める手口も増えているという。
こうした背景に加え、「独り暮らしのお年寄りが、周囲に気付かれないまま長期間にわたり振り込みを続けるケースも目立つ」ことも被害高額化の要因といえそうだ。なかには1000万円以上をつぎ込んで財産を使い果たしてしまった人もいるという。
海外の業者に代行してもらうことを含め、国内から海外宝くじを購入することは「富くじの発売、取り次ぎ、授受」を禁じた刑法第187条に違反し、処罰される恐れがある。
業者は連絡先を豪州、カナダ、アメリカ、香港などの私書箱にしており、被害者が直接連絡を取るのは困難。だがセンター担当者は「小切手は日本のものだし、世界中から日本の特定の家庭へDMが集中して届くのも変な話だ。本当に海外にいるのかは疑わしい」とみている。
一番有効な対策は、やはり無視することだろう。センター担当者は「宝くじの現物が送られてくるわけではないので、本当に業者がくじを購入し、当選したとしても、当選金が送られてくる保証はありません。さらに振り込んでしまった現金や小切手を、連絡のつかない業者から取り戻すのは極めて難しい。損害を回復する手段がないことを肝に銘じて、海外宝くじなどには手を出さないことが大切です」と呼びかけている。
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