核家族化の今だから…他世帯とスペース共有
ご存じですか「コレクティブハウス」
2008/4/1
産経新聞東京朝刊 by 村島有紀
「コレクティブハウス」という新しい形の住まいを選ぶ人々がいる。コレクティブハウスとは、各世帯がキッチン、トイレ、バスのついた独立した住戸に住みながら、共有のリビングルームやキッチンを他の世帯と積極的に利用しながら暮らせる住宅。核家族の子育てに疑問や限界を感じた人や、多くの人の目がある中で子育てをして子供のコミュニケーション能力を高めたいと考える人が暮らしている。都内に建築予定のハウスを取材した。
「子供をコミュニティーの中で生活させたい。自分も家と会社を往復するだけでなく、もっときちんと暮らし方を考えたいと思ったのです」
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ワークショップで共同キッチンの設計を話し合う入居希望者ら=東京都多摩市 |
神奈川県に住む会社員、矢田浩明さん(36)はこう話す。専業主婦の妻、智美さん(35)と長男(2)と3LDKの賃貸マンションに暮らしているが、1年後に郊外の東京都多摩市に誕生する賃貸マンション「コレクティブハウス聖蹟」(仮称)に入居する予定だ。物件を手がけるのは、NPO法人「コレクティブハウジング社」(東京都千代田)。
すでに同様のスタイルのハウスが都内3カ所にある。ハウス内では、住民同士で週何回か食事当番を決め、「コモン(共同)ミール」と呼ばれる食事会を開く。プライバシーを守りながらも、緩やかな交流を保っている。
コレクティブハウス聖蹟は延べ床面積1335平方メートルで、25〜50平方メートルの住戸16戸と110平方メートルの共同スペースからなる。家賃を専用住戸だけで比べると、近隣相場より割高だが、共同スペースを考慮すると相場並みになるという。
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