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体への負担少なく、有所見率もアップ
「カプセル内視鏡」 小腸の検査・治療で飛躍的な成果
2008/4/2  産経新聞東京朝刊 by 服部素子
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カプセルを飲み込むだけで小腸内の検査が行える「カプセル内視鏡」を使った診察が、昨年10月に保険適用されて今月で半年になる。従来の内視鏡では検出が困難とされていた小腸ポリープや潰瘍(かいよう)の有所見率が大きくアップ。麻酔などの前処置やバリウムなどの造影剤が不要なため、患者の肉体的負担の軽減にもつながるなど、小腸の検査・治療を飛躍的に前進させたと高い評価を得ている。

カプセル内視鏡のサンプル
カプセル内視鏡のサンプル
カプセル内視鏡は直径11ミリ、長さ26ミリで、大きなビタミン剤のような形をしている。超小型カメラを内臓し、口から飲み込んで内視鏡検査を行う。消化管の蠕動(ぜんどう)運動によって小腸を通過しながら8時間かけて約5万枚の腸粘膜の画像を撮影し、記録装置に転送。医師がこの画像をもとに診断を行う。

小腸は全消化管の75%を占める体内で最も長い臓器で、全長6〜7メートル。従来の内視鏡だと口と肛門のどちらから入れても十分な観察ができず、「暗黒の臓器」とも呼ばれていた。

それがカプセル内視鏡の開発で小腸全体を観察できるようになり、これまで見逃されてきた糜爛(びらん)や血管異形成など小病変の検出が可能になった。また、関節リウマチの治療でよく飲まれる消炎鎮痛剤や、心筋梗塞(こうそく)予防の低容量アスピリンが小腸の粘膜を傷つけていることも分かってきた。

大阪市立大学医学部附属病院での臨床研究を含め約300例のカプセル内視鏡検査にかかわってきた大阪医科大学の樋口和秀教授は「カプセル内視鏡の有所見率は約70%。原因不明の消化管出血の場所をほぼ特定できるようになり、そこにある潰瘍や血管病変をダブルバルーン内視鏡で効果的に焼(灼(しょうしゃく)(焼き切る)治療できるようになった」と検査や治療で大きな成果が上がっていると話す。

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