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||白井貴子インタビュー[3]

呼吸する地球
デビュー25周年の特別なイベントとして、THE CRAZY BOYSとの再会が浮上した。83年から88年の“決意”までの間、行動をともにしたバンドだ。

白井貴子 「20代なら、あこがれのエネルギーは栄養になる。でも、あこがれとは何か。本当の自分でない何かになりたいということ。つまり自分じゃないものに、ということです。30を過ぎたら、それではだめなのです。本当の自分とは何か。自分が大切にしているもの。私にとってそれは自然であり、ロックやバンド活動。それを正直に伝えることが本来の自分だと気づきました。20代は、“あこがれる力”で拳を振り上げていましたが、今はもっと人に伝えたい。伝えるためにはバンドが必要だと思った」

2006年。東京・渋谷で白井貴子&THE CRAZY BANDの復活ライブ。そのもようはCDとDVDのセット「25 th Anniversary〜NEXT GATE LIVE 2006-2007〜」(ソニー)に収められた。

さらなる前進の結果が、バンドとともに作った新譜「地球−−HOSHI」だ。

マーガレットグラウンドと名付けた伊豆の森での自然とのふれあいから生まれた歌が11曲収められている。

サウンドはシンプルで力強い。80年代のロックそのものかもしれない。古くさいと考える人もいれば、新鮮に感じる人もいるだろう。いえることは、はっきりとした歌声は、まっすぐに聴き手の耳に届いてくるということ。

女性に聴いてほしいという。

「地球が大変なとき、女性の細やかさ、もったいないと思う精神、命を思う気持ちが、これからの時代を牽引するはず」

白井貴子 さまざまな音楽家がいる。息も切らさずに20年、30年と走り続けているる人もいる。だが、ともかく白井貴子はいちどすべてをたち切り、立ち止まり、そしてゆっくりと歩き出した。

「歌は息を吸ってからうたいますが、息を吸うときに人は体が後ろに下がります。吸うとは後ろ向きな行為なのかもしれません。が、そのエネルギーによって前に踏み出せる。そういう生き方が私にも、いまの時代にも大切なんです。消費ばかりするのではなく、大きく息を吸う時間が」

地球(ほし)に呼吸をさせたい。

「私の経験したこの20年が何かの役に立つのではないか」





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「地球-HOSHI-」

「地球−HOSHI−」
ソニー・ミュージック ダイレクト
MHCL-1283/3000円

1 雨上がり
2 Time Limit
3 Believing
4 Run 風のように 雲のように
5 Orion
6 Start Again
7 I Follow The Sunshine 太陽を追いかけて
8 It's My Rock
9 LOVE + HOPE 心のままに
10 最初で最後のメッセージ
11 潮騒

白井貴子公式サイトはこちら

ニューアルバム発売記念ライブ NEXT GATE 2008
2月11日(月)
Shibuya DUO Music Exchange
午後5時開演
問い合わせ:HOT STUFF 03(5720)9999


PROFILE
神奈川県藤沢市出身。福岡、名古屋転校後、中学、高校を京都で過ごす。フェリス女学院短期大学音楽科卒業。

1981年、CBSソニーからデビュー。年間100本を超えるハードなライブパーフォーマンスから「ロックの女王」と呼ばれ、「CHANCE」のヒットをきっかけに女性ポップロックシンガーの先駆者的存在となる。

88年、充電のため音楽的母国であるイギリス・ロンドンへ。96年、鎌倉にオリジナルレーベル「ROD」設立。自宅リビングで録音されたアルバム「LIVING」「HANA」リリース。

2006年、念願の伊豆の森にエコロジックスタジオが完成。