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雪組 朝海ひかる&舞風りらが退団
さわやかに、キリリとサヨナラ
12月24日(日)
宝塚歌劇雪組「堕天使の涙」「タランテラ!」東京宝塚劇場公演がクリスマスイブの24日、千秋楽を迎え、この日で退団することを発表していたトップスターの朝海ひかるが16年の宝塚生活に別れを告げた。「最後まで男役として舞台人としてつとめあげたい」。そんな思いを抱いて立った最後の舞台。さわやかに、キリリと男前に約8000人のファンに見送られた。

パレードするこむちゃん

この日は、通常の公演が終わった後午後5時前から、退団者による特別のショーであるサヨナラショーが約30分行われた。大階段の中央に白いタキシード姿で立った朝海が「ベルサイユのばら」から「我が名はオスカル」をうたってスタート。「Joyful!」「ワンダーランド」「銀の狼」「スサノオ!」などの作品からの歌をうたいつぎ、また踊りの名手らしいダンスも披露した。

24sumirecom01.jpg最後の「風のように」(「Romance de Paris」から)は、スーツに黒いソフト帽、ロングのコートという渋いいでたちで決めた。赤と青のペンライトが降られる中、ゆっくりとソフト帽をとってからうたい始め、最後にはまたかぶり、客席にいったん背中を見せてからゆっくりと振り向いた。帽子のつばを少しだけ上げて左目だけをのぞかせて降りてきた緞帳(どんちょう)の向こうに消えた。

続いて退団者によるあいさつ。この日は朝海を含めて10人が退団した。朝海は午後6時過ぎ、「すみれの花咲く頃」の音楽に乗って大階段を降りてきた。タカラジェンヌの正装である緑のはかま姿。

階段を降りる際、「足元をすべらせて、とてもびっくりしました」という、トップスターとしては珍しいハプニングもあったが、それもこれも「大階段の上から見える客席を、その景色を忘れないように」脳裏に焼き付けようとしたからだ。

組からのお花渡し(花束贈呈)は後任トップスターに内定している水夏希。同期からは花組トップスター、春野寿美礼が駆けつけて手渡した。朝海は春野の肩を抱き、春野は何事かをささやきふたりで笑い合う。朝海によれば、このとき春野は「『さみしいよ〜』って言っていました」。

さよなら、こむちゃん そしてあいさつ。「みなさまからたくさんの愛をいただき、それが私の力となり、舞台をつとめることがてきました。ひとりでは何もできませんでしたでしょう。みなさまへの感謝の思いでいっぱいです。本当に、本当に朝海ひかるを16年間支えてくださって、ありがとうございました」。あっさり、といっていいほど短い言葉に万感の思いを込め、客席に向かって深々とおじきをした。

組の全員といっしょに「さよならタカラヅカ」をうたい終わるとニッコリと笑顔を見せて手を振った。緞帳が下りた。

午後7時前から劇場2階で記者会見。落ち着いた口調で「今、宝塚の舞台を終えてきました。すがすがしい気分と充実感、幸せな気持ちでいっぱいです」と話し始めた。

退団する実感は「まだない」といい、また退団後についても「温泉に行ったり、海外旅行に行ったりして自分と向き合って、自分がどういう人生を歩みたいか。どういう方向に進みたいのかを、自分と話し合う時間がほしい」と説明した。舞台生活を続けるのかという質問には「ま、さまざまなことを考えようと思っています」と明言は避けた。

会見するこむちゃん 宝塚については「私にとってはすべてでした。何をするにも見るにも、すべてを宝塚と結びつけて考えていましたし」と振り返った。

そして、「雪組は私の体の一部。明日から組のみんなに毎日会えないなんて考えたくありません。でも、きっと、来年から雪組は新しいことに挑戦していくでしょう。今の生徒たちなら何がきても怖くない。今まで以上の雪組を作ってくれるでしょう。演出家の荻田浩一先生が、『(朝海が)客席から見ていて悔しくなるような雪組を作ろう』とみんなに言っていました。私も客席から見て悔し涙を流したい。何も心配していません」と、組の仲間たちに最後のエールを送った。

午後8時半ごろ、劇場前をパレード。駆けつけた約8000人のファンから大きな拍手を受けながら、思い出深い劇場を後にした。

さよなら、まーちゃん なお、この日は相手役の舞風りらも同時退団。12年の思い出深い劇団に別れを告げた。舞台でのあいさつでは、舞風ならではの満面の笑みを終始浮かべていた。

舞風は「感謝しなければ。産まれてきたことを。苦しいこともあったけれど、幸せだった」と、「堕天使の涙」で演じたリリスという役のせりふを引用して思いを述べた。

「さみしくないといったら、うそになります。大好きで入ったタカラヅカを卒業すると決めるのは一大決心でした」という心情も吐露したが、最後に「4年間おそばでいっしょに舞台を作った朝海さんに感謝の気持ちでいっぱいです。隣にいられて幸せでした。フフフフフフ」と、“まーちゃん”スマイルで締めくくった。

この日はほかに紫いつみ、夢華あやり、彩みづ希、花緒このみ、愛耀子、悠なお輝、有沙美帆、専科の高ひづるが退団した。公演で使われたプロジェクターを流用し、組長による退団者紹介の際は、白い緞帳に各退団者のブロマイドとサインを映しだす演出も取り入れられた。

朝海の後は水がトップに就任し、相手役は雪組出身で星組娘役トップだった白羽ゆりが務める。白羽は11月13日付ですでに雪組に籍をおいている。

会見やパレードの写真グラフはこちらです。


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サヨナラ グラフ