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星組大劇場公演評
魅惑的な悪のヒーロー像に挑戦
2007/11/27  大阪夕刊 by 平松澄子
宝塚大劇場の星組公演は2作品とも、これまでの歌劇にはない、新しい挑戦が満載だ。

エル・アルコン−鷹−」(齋藤吉正脚本・演出)は、青池保子原作の人気劇画をもとにした海洋スペクタクルロマン。16世紀後半のヨーロッパを舞台に、7つの海を制覇する野望に燃えるイギリス海軍士官のティリアン(安蘭けい)が、冷酷非道な策謀でのしあがり、敵国のスペインへ亡命するが、その果てには… という栄光と挫折が描かれる。

トップスターはほとんど演じない“ダーティー・ヒーロー”を、安蘭は漆黒の長い髪をなびかせたカッコイイ姿と抑えたセリフ回しで、じつに魅惑的に造形した。壮大な広がりを感じさせる主題歌(寺嶋民哉作曲)も、歌唱力バツグンの安蘭ならではのうまさで聴かせる。

ドレス姿に剣を持つ、フランス貴族の女海賊ギルダ(遠野あすか)も、娘役トップとしては珍しい役柄。娘役ばかりの女海賊のダンスも目新しい。クライマックスは、ティリアンに父親を殺され、復讐(ふくしゅう)のために海賊となったイギリス青年ルミナス(柚希礼音)との対決。荒海のCG映像をバックにした活劇シーンはなかなかの迫力で、まるで映画を見ているようだ。

随所に劇画を意識した意欲的な試みは見られるが、多くの要素を詰め込みすぎて、原作を知らないと登場人物の関係が把握しづらい。ティリアンの生い立ちの回想シーンが繰り返されるのもくどく感じた。

「レビュー・オルキス−蘭の星−」(草野旦作・演出)は、かつて蘭の花が咲き乱れる美しい星(地球)で巡り会った男女が、今はもう花が咲かなくなった星に想いを馳(は)せる…という、社会的なテーマを秘めたドラマ性のあるショー。

いきなり老夫婦が登場するプロローグがユニークで、トップ・コンビの芝居巧者ぶりが光る。アルゼンチンから招いた振付家(オスカル・アライス)による、タンゴのイメージを超えるダンスの振付が新鮮だ。黒い鳥に扮して踊る54人のラインダンスが圧巻で、これぞレビューの醍醐(だいご)味。

12月15日まで。東京公演は来年1月2日〜2月11日。




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