宝塚歌劇団に今春入団した
第93期生50人が16日、宝塚市の同歌劇団けいこ場
で初舞台となる星組公演「シークレット・ハンター」のフィナーレで踊るラインダン
スを初披露した。

「シークレット・ハンター」はカリブ海の架空の島を舞台に、詐欺師とプリンセス
の恋模様を描いた明るい作品。ラインダンスは「カリビアンフィッシュ」というオリ
ジナル曲にのって、魚をイメージした物語風の構成で踊る。衣装は目が覚めるような
オレンジ色で、後ろにヒレのふりふりがついているのがかわいい。
振付の羽山紀代美は「暗い海で蛍光色の衣装の魚たちが泳いでいるとき、チョウチンアンコウに襲われる。その危機を50匹が力を合わせて撃退するイメージのダンス
にした」という。羽山が初舞台生のラインダンスを担当するのは、
瀬奈じゅん(月組
トップ)が入団した1992年以来で15年ぶり。「初舞台生たちの一生懸命さは、
いつの時代も変わりませんね。見ている人たちに元気を与えるダンスを大事にした
い」そうだ。
2月22日から振りを覚えて稽古に励んできた第93期生は、黒のレオタードとタ
イツの練習着姿で、「エイッ、ヤァッ!」と声を出し、汗びっしょりになりながら、
軽快なステップで息の合ったダンスを披露。
宝塚音楽学校を首席で卒業した彩風咲奈は「50人が一致団結できて、幸せでいっ
ぱいです。全員が力を合わせてアンコウを倒すシーンが大好きです」。娘役の菜那く
ららは「表情に悩んで、みんなで協力して解決しました。早く初舞台を迎えたいで
す」。蒼羽りくは「50人がそろって、がんばって踊ります」、輝城みつるは「50
色のクレヨンみたいな魚たちが、ひとつにまとまって踊りたい」とそれぞれ元気いっ
ぱいに語った。
ほかに元プロ野球の投手だった山沖之彦さんとタカラジェンヌの母の二世、芹香斗
亜も楽しそうにハツラツと踊っていた。
作・演出の児玉明子は、これが宝塚大劇場のデビュー作になる。「トップ・コンビ
の
安蘭けい、
遠野あすかのお披露目公演でもあるし、初物づくしの公演です。第93
期生はラインダンスのほかにパーカッションでも全員に参加してもらいます。ゆっく
りだけれどそれぞれの個性が見えてきたところで、みんな熱いものを持っています
ね」と話していた。
星組公演は、舞踊詩「さくら」との2本立て。初舞台生がそろって出演するのは宝
塚大劇場(23日〜4月30日)だけで、日替わりで口上もある。東京宝塚劇場公演
は5月18日〜7月1日。
