「龍」は滝巡りが好きな母親が、「真咲」は自分でつけた芸名という。
「“まさき”は響きがきれいなので、将来、子供ができたらつけようと思っていた名前。龍は神秘的で、見た人は幸せになれて願いが叶うという伝説が多い。私も舞台人として、幸せを運べる人になれたらと思っています」
★ ★ ★
人気急上昇の男役ホープ。
宝塚大劇場の月組公演(17日まで)に出演中で、「マジシャンの憂鬱(ゆううつ)」新人公演では2度目の主役を好演した。ある国の皇太子妃の事故死の真相を究明するクロースアップ・マジシャン、シャンドール役。
「キザで影があって男臭い役。東京公演ではもっと、マジシャンらしいニュアンスを出したいと思います」
ワンランクアップの演技を目指して貪欲(どんよく)だ。
歌の好きな少女が、小学生時代に初めて宝塚の舞台を見て、高校生になって音楽学校を受験し、一発合格した。
初舞台は宙組の「ベルサイユのばら2001」。月組に配属されて初参加した東京での「大海賊」新公で、早くもディビッド役がついた。「何もかもが鍛えられて、私の宝塚人生のスタートになりました」
平成17年の「エリザべート」新公では“出世役”のルドルフ皇太子。初主演は18年の宝塚バウホール公演「Young Bloods!!」のRYU役だった。
「あのときしかできなかった作品。精いっぱいでした」
新公の初主演は翌19年「パリの空よりも高く」のアルマンド役だが、前年の「暁のローマ」新公でも月組トップ、
瀬奈じゅんが演じたブルータス役だった。
「あさこさん(瀬奈の愛称)ってスゴ過ぎて。尊敬している方で、学ぶことが多いです」
今回の公演で新公も卒業する。
「7年間ってアッという間。自分が一生懸命にやるのは当然ですが、下級生がかわいくて、何でも教えてあげたい」と上級生になる自覚も十分。「今はお芝居に興味があって、役になりきれるのが楽しい。男役がやる女役も好きなので、あこがれの役はエリザべートです」