宝塚歌劇団は27日午後、東京都内のホテルで会見し、ブロードウェイミュージカル「スカーレット ピンパーネル」の日本初演を星組で行うと発表した。(生徒一問一答は
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会見した安蘭けい(中央)、遠野あすか(右)、柚希礼音
英国の作家バロネス・オルツィの小説が原作。フランス革命が血なまぐささを増す中、不当に弾圧されるフランス貴族を救おうとする英国貴族パーシー・ブレイクニーが主人公。
1997年初演のブロードウェイミュージカルで、音楽を担当している作曲家フランク・ワイルドホーンが、宙組「NEVER SAY GOODBYE−−ある愛の軌跡−−」(2006年)に楽曲を提供した際「タカラヅカにぴったりの作品がある」と、演出家の小池修一郎に“推薦”していたという。その小池が潤色と演出を手がける。また、ワイルドホーンは今回「ひとかけらの勇気」という新曲を書き下ろしている。
ブロードウェイ版はコメディ色が強い。そのあたりをいかにタカラヅらしくするか。それが自分の仕事だと、小池は次のように話す。
「パーシーは、敵の目をあざむくために軽薄なふるまいをしてみせる。そのあたりがコメディーになっているのですが、そのままではタカラヅカにはふさわしくない。明るい持ち味をいかしつつ、ロマンチックな要素を加えたい」
また、パーシーは、いかにも米国らしいスポーツマン的なヒーロー像でもあるという。
会見に出席した星組トップスター安蘭けいは「このとろこ屈折した人物を演じる作品が続いていますが、こんどはスーパーヒーローということで、自分でも期待しています」と胸のすくような冒険活劇に意欲満々のようすだ。
いわゆるコスチュームもの。そのけんらんな衣装も楽しみだが、ドレス姿で会見に登場した娘役トップ遠野あすか自身も「豪華な衣装、セットで描く豪華な世界にひたってみたいです」と話した。
敵役を演じる男役、柚希礼音は、初めての悪役を楽しみにしているという。「みなさんがびっくりするような悪役になれれば」
また、星組が小池作品を演じるのが「エリザベート」の初演(1996年)以来とあって、3人は異口同音に「ドキドキしています」と笑わせた。
会見では、安蘭が「ひとかけらの勇気」を、3人で劇中歌「謎解きのゲーム」を披露した。
公演は6月20日〜8月4日宝塚大劇場で、8月22日〜10月5日東京宝塚劇場で。
なお宝塚は「紅はこべ」という題で、原作小説の舞台化作品は2度上演している。