SUMiRE STYLE  春麗の淡き光に STAGE GRAPH

 

源頼光は藤原兼家に、ついに朱天童子の居場所が分かったと報告し、兵を挙げて大江山を囲む。だが、頼光に居場所を知らせたのはほかならぬ保輔本人だった。鬼童丸に誘われて山に入ってきた頼光は、保輔に問う。「いったいここで何をしているのか」「わしのために亡くなった者たちを弔っている」「なぜ、わしをここへ?」「お前の手にかかりたかった。わしは悟ったのだ。おのれひとりの力では世の中は変わらぬ。だが、おぬしは違う。朱天童子を討ち取って今以上の権力を蓄えてくれ」。頬の傷で保輔としての表の顔を失った保輔は、朱天童子としてひとりで世直しに限界を感じていたということか。苦悩の中で頼光が自分を討つ命令をくだされたことを知り、自分を斬らせて頼光が兼家に認めらることで勢力を伸ばしてもらい、いつかは自分の果たせなかった夢をかなえてほしい。そう考えたというのだろうか。いずれにせよ、思いを受け止めた頼光は、刀を抜く。「朱天童子、覚悟!!」

 

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宝塚歌劇団雪組東京公演
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