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宝塚歴史ロマン『花供養』 |
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しんしんと 愛 にじませて |
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宝塚歌劇団90周年記念日生劇場特別公演「宝塚歴史ロマン『花供養』」(作演出・植田紳爾)の幕開きを9月1日に控えた宝塚歌劇団は31日、東京・日比谷の日生劇場で舞台稽古を行った。
「花供養」は、昭和59年に宝塚バウホールで、春日野八千代、神代錦、榛名由梨ら専科の選抜メンバーで上演された作品で、今回は日生劇場特別公演2度目の主演となる専科の轟悠、雪組の未来優希、音月桂、白羽ゆりらによる20年ぶりの再演(関連記事:「花供養」芝居一本、挑戦の舞台)。
江戸時代初期に徳川幕府の圧力により翻弄される天皇家人々の愛の苦悩を描く。歌も、踊りもなく、芝居だけの、宝塚としては異色の舞台は、悲しい愛の行方を四季の移ろいに合わせて淡々と描く。虫の音、読経の声などが、静けさに満ちた物語にさらに静ひつを誘う。しんしんと降る雪の音さえ聞こえてきそうなほどだ。見た人の心にしみ、記憶にしみいる、そんな舞台になりそうだ。
稽古終了後、轟が劇場内で会見。「なんでもスピードの時代ですが、日本のお芝居の間を忘れてはいけないなと思っています。苦しみをストレートに表現するのではなく、にじみだせたらいい」と語り、お芝居一本の舞台への意気込みを表した。
23日まで。
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稽古終了後の轟悠の会見は以下のとおり。
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舞台稽古終了後、記者会見した轟悠=東京・日比谷の日生劇場 |
「どうにか、お見せできるような形になったかなと思っています。謙遜ではありません。(出演者)みんなが内心ドキドキしながら、日ごろの公演とはひと味もふた味も違う感覚で取り組んでいます。23日まで、ほかの劇場の作品に負けないように務めていきたいと思います」
−−演じる側からみた「花供養」という作品の魅力は何か?
「夏から始まって春で終わります。日本の四季を装置、照明それぞれの大御所の先生のお力をいただいて表現します。日本の美しさ、四季の移り変わり、あるいは言葉それ自体、さらには行間の大切さというものをかみしめながら演じています。現代は、なんでもスピードの時代。情報から演劇界に至るまで。お芝居においても間というものをとらずに、西洋のお芝居が席巻しているいるのだと(演出家の)植田(紳爾)先生はおっしゃいました。私たちは日本人ですから、日本のお芝居の間を、もっと感じて、忘れてはいけない。みんな口々にいっております。そういうところが難しい点でもあり、楽しいところでもあります」
−−演じる後水尾天皇はどのような人物か?
「『(顔の化粧を)ポスターほど白くはしないでね』と、春日野(八千代)先生にいわれたんですよ。で、肌の色に近い感覚のお化粧で臨みましたが、休憩時間に小川(甲子)支配人が(楽屋に)きてくださって、さらに手直ししていただきました。(後水尾天皇は)はんなりしたころもありますね。そして、徳川時代に朝廷の勢力が衰える中での苦しみをにじみだせたらいい。ストレートに出してはいけない作品です。演技の中でフワっと感じていただければいいなと思います」
※ステージグラフは、こちらです。物語のあらすじをそのまま書いていますので、観劇予定のある方は、観劇後にごらんください。 |
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