--オスカル役の難しさは
オスカルはある意味、どうにでも演じられると思うし、逆にこうでなくてはならないという部分もたくさんある役ですね。女でありながら、男として育って、でも女の心を持っている。微妙すぎて難しいです。
立ち居振る舞いも、女性ですから男役のままでは違う。自分の女の部分を生で出すのも違う。自分が男役として今まで身につけてきたことと、オスカルという存在のバランス。
オスカルは一場面の中でもいろんな感情が流れ、その一場面に多くのことが凝縮されているんです。それを一瞬にして出さなくてはいけない。そこが難しさであり、楽しさでもありますね。針の穴のような糸口を探しながら演じています。やればやるほど発見があり、本当に奥が深く大きい作品です。
--今回は役替わりですね
今回は役替わりだったので、宝塚大劇場のときは水夏希と二人で必死にあがいていました。昼にアンドレを演じて、夜にオスカルのけいこをしてると、お互い自分が本番でやっていた役を、相手の後ろに意識してしまうんです。同じ悩みを二人で抱えていました。
--オスカルの人物像は
オスカルはとても繊細で、まっすぐに育った人。自分のことよりも人のことを考えていたから、あそこまで正義感を貫き通せたのでしょうね。
--東京公演への意気込みを
東京公演では、さらに丁寧に一枚一枚、すき間を埋めて、もっと、立体的に役を深くするようにしています。
田窪桜子@産経新聞文化部