SUMiRE STYLE    010714@東京夕刊    

  微妙すぎて難しいオスカル    専科・彩輝直


--オスカル役の難しさは

 オスカルはある意味、どうにでも演じられると思うし、逆にこうでなくてはならないという部分もたくさんある役ですね。女でありながら、男として育って、でも女の心を持っている。微妙すぎて難しいです。

 立ち居振る舞いも、女性ですから男役のままでは違う。自分の女の部分を生で出すのも違う。自分が男役として今まで身につけてきたことと、オスカルという存在のバランス。

 オスカルは一場面の中でもいろんな感情が流れ、その一場面に多くのことが凝縮されているんです。それを一瞬にして出さなくてはいけない。そこが難しさであり、楽しさでもありますね。針の穴のような糸口を探しながら演じています。やればやるほど発見があり、本当に奥が深く大きい作品です。

--今回は役替わりですね

 今回は役替わりだったので、宝塚大劇場のときは水夏希と二人で必死にあがいていました。昼にアンドレを演じて、夜にオスカルのけいこをしてると、お互い自分が本番でやっていた役を、相手の後ろに意識してしまうんです。同じ悩みを二人で抱えていました。

--オスカルの人物像は

 オスカルはとても繊細で、まっすぐに育った人。自分のことよりも人のことを考えていたから、あそこまで正義感を貫き通せたのでしょうね。

--東京公演への意気込みを

 東京公演では、さらに丁寧に一枚一枚、すき間を埋めて、もっと、立体的に役を深くするようにしています。

田窪桜子@産経新聞文化部    




PROFILE あやき・なお 平成2年、『ベルサイユのばら』で初舞台。月組に配属。3年、『ベルばら』新人公演(東京)の第1部でアンドレに抜てきされる。8年、星組に。10年、バウ公演初主役。昨年、6月専科に配属。宙組公演『ベルサイユのばら2001』では水夏希と役替わりでオスカル(23日まで)とアンドレ(24日−8月12日)を演じている。


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