SUMiRE STYLE    010707産経新聞東京夕刊    

ベルばら2001を大分析

トップインタビュー


「前の『ベルばら』(平成元年)は新人公演で必死であまり覚えてない。先輩方をもっとよく見ておけばよかった」と笑う和央ようか(右)と花總まり


 宝塚歌劇団史上初の宝塚・東京同時上演で話題となった『ベルサイユのばら 2001』。東京では、宙組の『フェルゼンとマリー・アントワネット編』が開幕し、ようやく二作が出そろった。平成元−三年の“平成のベルサイユのばら”以来の再演だけに、ファンの注目もますます高まっている。フェルゼン役の和央(わお)ようか、マリー・アントワネット役の花總(はなふさ)まりの宙組トップコンビのインタビューをまじえ、“二〇〇一年版ベルばら”の魅力を紹介する。

 
−−役作りについて


 和央 原作の漫画を大好きだったので、まずもう一度読み直しました。それから、台本に書かれたフェルゼンの心情を漫画の流れと照らし合わせながら役を深めていきました。

 花總 歴代の方々の作り上げたアントワネット像をまねしようと思ってもできるものではないし、今まで築き上げてこられたイメージを壊さず、自分なりに感じたものを大切にやろうと思いました。

 
−−人物像について


 和央 原作の池田理代子先生が「フェルゼンは王妃の愛人というより、一国の女王を支えた大きな男性に見せたい」とおっしゃっていたんです。王妃さまが何を考え、何をしゃべっているかを場面場面で受け止めて、その時々の心情からフェルゼンの大きさを出せれば。

 花總 いろんな見方ができる女性。前半は周りが見えていないけれど、時代が大きく流れていく中で成長し自分をしっかり見つめていく。その成長を演じるのも難しいですね。

 和央 この作品そのものが難しい。その中でもフェルゼンは、ずっと受け身で、王妃のことをじっと思い続けている役なので特に難しいと感じます。

 
−−好きな場面は


 和央 “平成のベルばら”を見たとき、『愛の面影』というナンバーがとてもすてきだなと思ったんです。この歌を歌えてうれしかったですし、歌っていてものすごく好きですね。

 花總 どの場面も印象的で大切なんですけど、フェルゼンさんとお芝居をするのは二場面しかないので大事にしたいですね。

 
−−初日は客席から特別な熱気を感じたそうですが


 和央 もう一カ月ぐらい公演しているような反応なんです。宙組はどんな風にやるのか、待っている感じもして。『ベルばら』は本当に愛されているんだなと実感しました。

 花總 プロローグから客席もすごく華やいでいるように感じましたね。

 
−−今後の宙組について


 花總 皆がいい顔で、いい汗を流し、一つのものを作っていっている組なので、これがずっと続いていけばなと思います。


 和央 宙組のみんなが生き生きして輝いていけるために、どうすべきかなと考えます。皆がキラキラしていてくれないと私も寂しいし。それぞれの学年、立場の人が壁にぶち当たりながらがんばっています。自分も通ってきた道ですし、しっかり受け止めていきたいと思います。

田窪桜子@産経新聞文化部    

「前の『ベルばら』(平成元年)は新人公演で必死であまり覚えてない。先輩方をもっとよく見ておけばよかった」と笑う和央ようか(右)と花總まり
アントワネットを救おうとフェルゼン(和央)は、必死で馬車を急がせるが…
宙組
ベルサイユのばら2001
−フェルゼンとマリー・アントワネット編
和央ようか、花總まり、彩輝直、水夏希ほか。
8月12日まで東京・日比谷の東京宝塚劇場。
問い合わせはTEL03・5251・2001
星組
ベルサイユのばら2001
−アンドレとオスカル編
稔幸、星奈優里、香寿たつきほか。
8月17日−10月1日
兵庫・宝塚の宝塚大劇場。
問い合わせはTEL0797・85・6770
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