昨年、退団発表してから、“稔幸”としてピリオドを打つ十月一日まで何ができるか、どんなことができるかずっと考えてきたような気がします。
毎日毎日、一日一日がとても貴重で、一カ月が一年というほどの重みを感じるほどでした。
そして、卒業公演となった『ベルサイユのばら2001』でこの劇場を初めて踏み、三人のアンドレとの共演、オスカルという大役をこなすことで退団という二文字の実感をなくしていたように思います。
毎日毎日、とても充実していて楽しくて幸せで。
でも、気づきました。十月一日までがんばって前進していくことも大切だけど、過ぎゆく一つ一つにきっちりとお別れをしなければいけないんだなと。この劇場で出会った劇場関係者やスタッフ、オーケストラの皆様、本当にありがとうございました。そして何より客席から私たちを見守ってくださり、私の夢であった、ここに立ちたいという夢をかなえてくださったファンのみなさま。ここに立っているのもみなさまのおかげです。本当に本当にありがとうございました。
十月一日まで前進し続けていきますが、次に星組がこの劇場にやってきますのは十一月、私の“忘れ形見”となった『花の業平』とショーです。香寿たつきが私の跡を継いで、星組のトップとなってくれます。彼女も大変なことがいっぱいあると思いますが、みなさん、どうか彼女をそして新しい星組を支えてあげてください。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。