 |
 |
 |
与太郎と「ミニット・バイ・ミニット」 |
 |
 |  |
ほぼ毎日のように、寄席で与太郎噺をやっています。落語をあまり知らない人でも、与太郎の名前なら知っているでしょう。いかに愚か者とののしられようと、彼の周りにはいつも笑いの渦。
与太郎流のコイの捕まえ方がある。コイがいる池のはたに立ち、「滝だ、滝だ」とバケツから水をこぼす。滝だと思いこんだコイはそのままバケツにのぼってくる。まさに天才です。
また時として起業家であります。これならもうかってしようがない、という商売を発明する。それは…。1羽の伝書鳩をどこかの家に売る。伝書鳩だからこれを放つわけだが、放たれたハトは与太郎のもとに帰ってくる。これをまた別の家に売り…。1羽のハトがあちこちをいったりきたりするだけでもうかっちゃう。いざやってみれば、放たれたハトはもといた鳥屋に帰っちゃっうのですが…。こうした噺は、「道具屋」「牛ほめ」などの噺のマクラで、実に受けます。
なぜか与太郎は自分のことを「アタイ」と称しますが、さて、与太郎、「アタイが今度、『ミニット・バイ・ミニット』というタイトルのロックアルバムに登場するヨ」と、さも誇らしげに私にいうのです。なになにと見れば、なるほど『ある愚か者の場合(原題:WHAT A FOOL BELIVES)』という曲がある。
「ミニット・バイ・ミニット」はアメリカンロックの大真打ち・ドゥービー・ブラザーズにマイケル・マクドナルドが加入して3作目にあたります。1978年発表。それまでの豪快なノリはどこへやら。ダイエットでもしたかのようにスマートになっちゃった。
これがグラミー賞4部門を受ける。ゲスト参加している今は亡き女性歌手、ニコレット・ラーソンの歌声が聴けるのもうれしい。
与太郎の噺をやった後は、なぜか「ミニット・バイ・ミニット」が聴きたくなっちゃうのです。
|
|
|
|