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||だれかを好きになったなら…
木村多江インタビュー 豊志賀の死後、新吉に恋心を抱くお久(井上真央)、お累(麻生久美子)が怪死を遂げ、お久殺しで新吉をゆする女芸者、お賤(瀬戸朝香)までもが殺される。豊志賀の呪いだ。

そのなかでただひとり生きるのが、木村演じる妹のお園だ。

新吉を奪おうものなら、それが妹であれ豊志賀は容赦しなかったのではないか?

「考えたことがありませんでした。ただ、(豊志賀は)新吉を好きなあまり、妹さえを追い出してしまう姉ですからね。そういわれれば、やりかねないかもしれません」

新吉は、歌舞伎で言うところの「やさ男」だ。顔は美しく、所作がみやびやかで気立てもいい。お園は新吉の“危うさ”をいち早くかぎとり、姉の豊志賀に忠告する。「姉さん。私も新吉さんのことは反対よ」

「お園がいつから新吉に恋心を抱いていたかを監督と話し合いました。新吉はもてる男性ですから、きっとお園にも最初から気持ちはあったのではないでしょうか。ただ、なにか不安を感じる。近づいてはいけない。アンテナのように(お園は)感じとります。そういうところが、姉より理性的だったのではないでしょうか」

「私はそうなりませんが」と前置きをしてから、豊志賀の狂おしいまでの情念にも理解を示す。

「人を好きになるという気持ちは、とても強い気持ちです。同時に憎さも100倍。どちらが現れるのかは、理性か本能かで違ってくるのだと思います。ある人を好きになりそうだと感じたら、前進するか、恐れるかのどちらかですよね。理性で割り切れるのがお園です。自分には必要のなかった人だ。そう切り替える。恋愛はさまざま」



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怪談
8月4日(土)全国ロードショー

原作:三遊亭円朝
脚本:奥寺佐渡子
監督:中田秀夫
美術:種田陽平
衣裳:黒澤和子
出演:尾上菊之助
黒木瞳
井上真央
麻生久美子
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