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月組 大空祐飛 タカラジェンヌ 夢の軌跡(3)
ゼロから作り直す勇気も必要
10月6日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
「長い春の果てに」でフローレンスを演じたゆーひくん 新人公演は「黒い瞳」で卒業し、平成11年は宝塚バウホールの「から騒ぎ」と「十二夜」で、シェークスピア喜劇に続いて出演。13年のバウ「血と砂」で汐美真帆とダブル主役に抜擢(ばってき)され、プルミタス役で実兄との複雑な愛憎劇を熱演した。

「私はそれまで黒っぽい敵役が多く、プルミタスもそういう役。当時は新たなスタートであるべき時期だったのに、自分の得意な役柄で殻を破るのは難しい。私の中では新しい自分を出せず、あがいてましたね」

14年はその殻を破る年だった。1月の宝塚大劇場「ガイズ&ドールズ」ではお調子者のナイスリー役。「私のキャラクターにはない軽めの役でした」。次の「長い春の果てに」では初めて女役のフローレンスを、美しくチャーミングに演じた。「きれいとでかいという評価でしたね。どちらも新しい挑戦で苦労しましたが、何枚か殻を破らせていただいた気がします」

16年は激動の年になった。4月の全国ツアー公演「ジャワの踊り子」で演じた刑事タムロン役が、ターニングポイントになったという。「黒っぽくも二枚目でもなく、作品を締めなければならない重要な役。それをやり遂げたときに、私の中でお芝居に対する自信が持てて、お芝居がさらに好きになりました」

6月には大劇場の「飛鳥夕映え」で2役の役替わりがあり、10月にはバウの「THE LAST PARTY」で単独初主演を果たす。実在の米作家スコット・フィッツジェラルドの波乱に富んだ人生を描いた作品だった。「どっぷりした芝居をしたいと思っていた時期に、ものすごくいいお芝居に巡り合えたんです。これが私のやりたいことだったんだと、ひとつの夢が叶いました」

この作品はファンの熱心なリクエストに応えて、今年3月に東京で再演された。「自分の変化を感じることができましたが、初演のときより逆にプレッシャーが大きかった。お客さまに満足していただくにはゼロから作り直す勇気も必要だと、今の自分でできる最高のものをやろうと思いました」

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