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月組「パリの空よりも高く」「ファンシー・ダンス」大劇場公演評
3人の男役の掛け合いが見どころ
1月23日(火) 大阪夕刊 by 平松澄子
エッフェル塔はパリ屈指の観光名所。1889年の第4回パリ万博に合わせて建設されて以来、昨年で観光客数はのべ2億3000万人に達したという記事が最近、新聞に載った。

宝塚大劇場の月組公演「パリの空よりも高く」は、そんな人気の高いエッフェル塔の“建設秘話”みたいなロマンチック・コメディーである。タイムリーな話題もあるが、じつは原作は菊田一夫の「花咲く港」。脚本・演出の大ベテラン、植田紳爾が手がけた101本目の作品で、舞台を日本から19世紀後半のパリに移し、エピソードはほとんど創作したそうだ。

万博を控えて、ひと儲(もう)けをたくらむペテン師のアルマンド(瀬奈じゅん)は、同じ目的の弟分ジョルジュ(大空祐飛)と共闘。偶然、世界一の高い塔を作りたいという夢を語る建築家のエッフェル(霧矢大夢)と知り合ったことから、その莫大(ばくだい)な建設資金を狙おうと一計を案じるが…。

この3人を中心に、花売り娘のミミ(彩乃かなみ)、ホテルの女主人(出雲綾)、上院議員(未沙のえる=専科)、陸軍将軍や銀行頭取らがからんで、話は思わぬ方に展開してゆく。ワルはいても悪人は出てこないハートウォーミングな物語。はんなりしたレビューの幕開け、後味のいいラストとも、お正月公演らしい仕上がりだ。

主要3人の男役が、漫才のボケとツッコミのような掛け合いを繰り広げるのが見どころで、お互いの間がかみ合えばより楽しくなるだろう。出雲、未沙が芝居を構築して引っ張る役割を巧演。ホテルの1階と2階をそっくりセリ上がりのセットで見せる工夫が、レトロで重厚な味を出している。

レビュー・ロマネスク「ファンシー・ダンス」(三木章雄作・演出)は、さまざまなダンスの魅力にスポットを当て、瀬奈がショーマンぶりを発揮。ブロードウェーから招いたダレン・リー振付の「タンゴ・ノアール」が、人形劇をモチーフにした振りで新鮮だ。

ただ、全体的に暗い雰囲気で、それぞれのシーンに力が入っており、メリハリが乏しくなった。花組から組替えした桐生園加のダンスが際立っている。

2月5日まで。


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