トップスター、春野寿美礼の退団公演

花組東京公演　始まる［２］

2007/11/16 　速報

レビュー「ラブ・シンフォニー」（中村一徳作・演出）は、さまざまな愛の形や心情を、シャンソンやラテンの音楽にのせてつづる。正統派男役の春野の魅力を生かしたオーソドックスな作り方で、自慢の歌唱力に加えてダンスのシーンも多く、春野はほとんど出ずっぱりで奮闘している。

相手役の桜乃彩音（左）の背中を押して送り出し、ひとり旅立つシーン

「ショーは群舞が多いですね。みんなで一緒に舞台に出て、楽しく歌い、踊るのは、これが最後なので、楽しんでいる私や花組の生徒たちを観ていただいて、そのエネルギーがお客さまに伝わればいいな」

春野自身が楽しんでいることが伝わる。

相手役の桜乃の背中を押して送り出し、ひとり旅立つシーン。次期トップに内定した真飛と握手するシーン。そして♪想い出とともに　新しい旅立ちに愛を歌う…未来に届け…と歌うなど、思い入れたっぷりだ。

「ショーの中詰（中盤でほとんどの生徒が出演する場面）の、ラテン系のダンスの場面、ちょっとなんていっているのか分からない歌詞でうたっているところは、言葉にならない私の気持ちをぶつけているというか、今の私にピッタリですね」

いまの気持ちは言葉にならないのか−−。聞かずもがなの質問をしたのはENAK編集長。春野はていねいに答えた。

「そうです。宝塚大劇場公演は幸せなきもちで終わらせていただきましたが、東京公演はこれからだという大変な緊張感があって、まだまだがんばらないといけない。いまは、ただそんな気持ちなのです」

「アデュー−」の中には、印象に残るせりふがいくつもある。たとえば、こんなせりふもあったような−−。

「私はあなたを思い出すことが出来る。あなたは私を思い出すことが出来る」

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