春野寿美礼　退団公演　宝塚で千秋楽

「こんなにも愛されて」本拠地にサヨナラ

2007/10/29 　平松澄子

１２月２４日付で退団することが決まっている宝塚歌劇団の花組トップスター、春野寿美礼が２９日、宝塚大劇場で「アデュー・マルセイユ」「ラブ・シンフォニー」の千秋楽を終え、約６０００人のファンに見送られて、１７年間過ごした本拠地に別れを告げた。

公演の後に行われたサヨナラショーは、ブルーのラメの衣装をつけた春野が大階段で歌う、「世界の終わりの夜に」（「『ＴＡＫＡＲＡＺＵＫＡ舞夢』より）でスタート。「夢を紡いで」（『レヴュー誕生』より）、「夢を見れば」（『エンター・ザ・レビュー』より）と、金色、赤色と衣装を変えて歌い、「ファントム」の主題歌「ＨＯＭＥ」を相手役の娘役トップ、桜乃彩音と一緒に歌った。

「黒いワシ」（『レヴュー誕生』より）では春野＆桜乃のデュエットダンスのバックで、次期花組トップに内定している真飛聖が歌うという趣向も。そして、白い衣装の花組生全員が、「新世界」（『ＴＡＫＡＲＡＺＹＫＡ舞夢』より）のコーラスで春野を迎え、ラストに新曲の「こんなにも愛されて」を披露した。

♪熱い想いこの胸に歩いた道　忘れない…私はきょう去ってゆく　こんなにも愛されて…という、退団する心境にぴったりの歌詞だ。この歌の作詞・作曲は「岸一眞」。じつは親会社の阪急阪神ホールディングスの角和夫社長のペンネームで、春野の卒業を送るために作ってプレゼントしたのだという。

客席のファンも加わった「オサー」の呼び声で、最後の大階段を降りた春野は、黒紋付き緑の袴の正装。組からの花束を真飛から、同期生からの花束を星組トップの安蘭けいから贈られ、「夢を見る楽しさ、叶える努力、きびしさ、夢を叶えたときに訪れる最高の幸せ。たくさんの夢を見てきました。最後の夢は宝塚を卒業することです。ありがとうございました」とあいさつ。７回のカーテンコールにこたえた。

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