「最後まで花組の男役として舞台を務め、燃焼したい」

今年12月24日付で退団することを発表した宝塚歌劇団花組のトップスター、春野寿美礼が7日午前、大阪のホテルで会見し、心境を語った。
春野のこの日の装いは、淡いピンク地に細いストライプのシャツとオフホワイトのパンツ。
「花組の色と素直な気持ちを表現して選んだ」という。
5年間できたら…
退団の理由については、「主演男役に就任したとき(平成14年)、自分の中で5年間できたら、という気持がありました。それは、男役の芸を磨くこと、花組の人たちやファンのみなさんとの絆を深めるため、必要な日数だと思ったんです。その5年が過ぎ、立ち止まって自分自身を見つめたときに、身も心も十分に満たされたと思えて、卒業する時期だと決断させていただきました」と、理路整然と述べた。
じつは決断した時期は1年半ぐらい前で、歌劇団側と相談しながら調整していたようだ。
昨年は、
和央ようか(宙組)、
湖月わたる(星組)、
朝海ひかる(雪組)と次々にトップスターの退団が続いた。さらに今年に入って
貴城けい(宙組)。
「すごく寂しい気持がしましたが、私はまだまだだなと思っていました」という。
東京都狛江市出身の春野が宝塚歌劇団に入団したのは平成3年。「ベルサイユのばら」で初舞台を踏み、8年の「ハウ・トゥー・サクシード」で新人公演初主演。
端正な容姿と艶のある歌声で人気を集め、花組一筋で順調にトップ街道を歩んだ。

前トップの
匠ひびきが退団したあとを受けて、14年8月の福岡・博多座公演よりトップに就任し、宝塚大劇場のお披露目公演は大作「
エリザベート」の黄泉の帝王トート役で、歌唱力をいかんなく発揮して絶賛された。
その後、「野風の笛」「天使の季節」「La Esperanza」「マラケシュ・紅の墓標」「落陽のパレルモ」「ファントム」「明智小五郎の事件簿〜黒蜥蜴」…とさまざまな作品に主演してきた。