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星組新トップお披露目公演制作発表
制作陣あいさつ

植田紳爾・宝塚歌劇団理事長
植田紳爾・宝塚歌劇団理事長「王家に捧ぐ歌」は、オペラ「アイーダ」を原作にしています。宝塚は89年の歴史でその作品数は膨大であり、いままでやっていない作品はないというぐらいですが、たまたま「アイーダ」については戦後はやっていないし、戦前も調べた限りでは、やった形跡はないようです。スケールが大きいものだから、諸先輩方も作らなかったのかなと思っています。そんな作品に木村が、「鳳凰伝−カラフとトゥーランドット」に続いて挑戦します。

この公演は新生星組のお披露目公演であり、ロシアから振付家を招きもする。大変期待しています。今年の宝塚の大きな目玉作品のひとつと考えています。

加藤重義・三井住友カード社長(協賛企業代表)
加藤重義・三井住友カード社長(協賛企業代表)星組公演に冠協賛させていただきます。「アイーダ」は1871年の初演から130年にわたり、毎年のように上演されている有名なオペラの大作です。この作品がミュージカルとして上演されることになり、しかもそれが新生星組のお披露目の記念の公演ということで、注目度の高い、きわめて野心的な作品であり、協賛は名誉なことです。本日、米大リーグ・ニューヨーク・ヤンキースの松井選手が満塁本塁打でニューヨークデビューを飾りました。まことに素晴らしいスタートだが、新生星組の湖月さん、檀さんも、この大きな舞台を得て、すばらしいスタートをきってくれることを願っています。新しい脚本、新しい音楽で上演されますが、「ベルサイユのばら」「風と共に去りぬ」「エリザベート」に続く、宝塚ファンのみならず広くミュージカルファンからも反響を得るような大作になると期待しています。

私どもは昭和63年の「キス・ミー、ケイト」で初めて冠協賛させていただき、以来15年で23公演に協賛してきました。15周年の今年、このようなすばらしい作品に協賛できることにお礼申し上げます。私どもも35周年の節目。歌劇団の発展とともにVISAも発展してきました。今後もともに飛躍したいと願っています。

木村信司・演出家
木村信司・演出家「戦いは戦いを生むだけ」という主題を中心にすえます。戦いは人間の基本的な幸せをつぶします。 スタッフは「鳳凰伝」のスタッフを踏襲します。音楽は全曲オリジナルで、オペラの音楽は使いません。とっても大きな作品で、こちらも大きな気持ちでがんばりたい。

さきほど三井住友さまから「キス・ミー、ケイト」のお話がありましたが、僕はそのころ入団しました。いまこうして大きな作品をやるのもVISAさんとなにかのご縁があってのことかと。

ようやく台本ができて、曲が少しずつできてきているところです。どうかよろしくお願いします。

一問一答
−−娘役トップ、檀れいではなく、男役の安蘭けいが王女、アイーダなのはなぜか?

木村 僕の中のイメージとして、「ベルばら」にたとえれば、ラダメス(湖月わたる)はフェルゼン。エチオピアの王女(安蘭けい)はオスカルか。それならアムネリス(檀れい)はマリー・アントワネット。そういうふうに浮かんだ。まあ、それをふくらませて脚本を書いたわけです。

−−振付にマイヤ・プリセツカヤを起用した理由は?

木村 僕はいま、いろいろなことを学びたい。加えてこれから宝塚が世界に向けて発展する中で、世界の中からどなたかをお招きしたかった。ロシアから人選するのは初めてですが、宝塚が世界に発展するうえで非常に大きな機会になると思っています。

−−振付はほかに2人(羽山紀代美、竹邑類)いますが

木村 オペラでは「凱旋の場面」有名で、ここを宝塚ではどうするかと考えたとき、われわれの能力を最大限引き出せるものは何か。よし、踊ろうと考えた。その場面をプリセツカヤに頼みます。ほかのふたりの振付家は「鳳凰伝」からそのままシフトしてもらいました。

−−つまり、プリセツカヤが担当するのは「凱旋の場面」だけか

木村 いまのところはそう考えています。

−−プリセツカヤと打ち合わせはもうしたか?

木村 いえ、音楽ができてから、うかがって、打ち合わせをしたいと思っています。

−−「アイーダ」よりと銘打っているので、檀れいがアイーダを演じるのが当然だと思うが、そうでないということは、そもそも物語の筋を変えるのか?

木村 今回まずテーマを考えました。このオペラを作っているときのベルディが何を考えていたかをいろいろと調べると、彼は「神の名のもとに」という大義での戦争に対して怒っていたという。戦の犠牲は何か。人の基本的な幸せだ。(イラク戦争の起こっている)現代に「アイーダ」をとらえ直すべきではないかと考えた。テロについても考えた。「アイーダ」では案外、野望はすぐに露見してテロ行為は起きないんですが、僕はエジプト王国ファラオ(箙かおる)は死ぬ設定を考え、その結果、娘のアムネリス(檀れい)は国を背負う。愛をあきらめて国を背負うという、この大きな役とラダメスとアイーダという対比の中で、3人のイメージに重ね合わせながら脚本を書いたわけです。



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4月9日(水)速報
text and photo by 石井健
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OG情報 演劇一般のほうに掲載
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