●●●宙組・水夏希(平成5年入団) 波越える姿を見せたい
2日に開幕する宙組公演「白昼の稲妻」(関連記事:東京公演始まる)で、ランブルーズを演じる。過去の悪事を隠して生きる貴族の役だ。
「男役は悪役にあこがれるんです。私も例にもれずで、いよいよ悪役が来たなと。人を殺したとしても、魅力的な人間でありたいですね。直球で悪を表現すると小物になってしまう。表面が穏やかであればあるほど、裏の怖さが出るような表現ができれば」
宙組は13日まで。31日からは雪組の中日劇場公演に特出。続いて雪組「スサノオ」、後半は花組と忙しい1年になりそうだ。月→花→宙と組替えは経験しているが特出は新鮮という。
「『スサノオ』も大好きな時代の物語で楽しみです。みんなとコミュニケーションを大事に、新しい環境、新しい出会いに自分を染め、いろいろなものを吸収していきたい。この波にのまれるのではなく、自分で舟をこぎ、波を乗り越えていく姿をお見せしなくてはと思う」と冷静に話す。
今年の出演作品は、それぞれ全くタイプが異なる。いかに個性を発揮するか期待も大きい。
「80周年の全員の記念撮影では後ろから3段目だったのが、90周年は前から3段目で、時の流れを実感しました。自分より後ろの人たちの存在からも責任が生まれた。90周年という伝統を継承しつつ、新しいものを生み出していきたいです」
●●●宙組・大和悠河(平成7年入団) 男役磨き女役にも挑む
宙組公演「白昼の稲妻」(関連記事:東京公演始まる)で古着屋のサバティエを演じている。パリの裏社会にも通じる2つの顔を持つ男だ。一方、ショーでは初の女役で登場し驚かせる。
「貴族たちの物語と深くかかわるのではなく、眺めているような存在。自分でいろんなふうに膨らませることができる役ですね。ショーは初めてのことがいっぱいで…。女役は表現の仕方が全く違って新鮮ですね。とても楽しんでやってます」
昨年は、慣れ親しんだ月組から宙組に組替えに。星組「雨に唄えば」(関連記事:雨に唄えば)に“特出”、好評を博した。6人の中では特出をすでに経験済みだ。
「今年は、そんな昨年の延長の感覚がありますね。特出はすごい勉強になりました。いろいろなタイプの男役さんから刺激を受けつつ、舞台に立てるのは幸せです」
今年楽しみにしていることは−の質問に「運動会」と笑顔。10月12日に大阪城ホールで10年ぶりに開催される。
「みんな意外と負けず嫌いですから、綱引きの練習はどうしようなんて話しています。夏に博多座に出させていただくのも、すごくうれしいです」
10年前の80周年はまだ本科生(宝塚音楽学校2年目)だった。
「“男役10年”といわれますが、その10年目を迎えました。10年だからだけでなく、いい意味で自分らしい男役像を極めていきたいですね」
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