SUMiRE MEMO ｂｙ　ENAK編集部 10月21日（木） 上は歌劇団が配ったイメージ写真(撮影・野波浩)。美しい!トートの指先に注目。長く凶悪なつめが。彩輝によると、本番に実際にこのつめをつけるかは未定。あるいは手袋をはめるか、など思案中だという。「手袋をはめると手によるひゅうげんがとても難しくなる」と彩輝。星組時代の麻路さきトートは、物陰からまず指先がはうようにして 出てくる“フィンガーアクション”が印象的だったが、星組時代に麻路トートを研究した彩輝ならではの指先のこだわりにも期待。 ●連載　産経新聞における主な塚関連連載記事は次のとおりです。 ・東京本社が発行する毎月第１、３月曜日朝刊の「ザ・タカラジェンヌ」 ・大阪本社が発行する毎週土曜日夕刊の「すみれの園を創る人たち」 ・大阪本社が発行する夕刊では、毎月不定期火曜日に大判の写真をあしらった連載「タカラヅカ９０ｔｈ　きらめく星たち」も。 ●番組表　東京版朝刊ＴＶメディア面のＢＳ・ＣＳ欄にはＣＳチャンネル「ＴＡＫＡＲＡＺＵＫＡ　ＳＫＹ　ＳＴＡＧＥ」の番組表と解説を毎日掲載しています。 ●ＯＧ関連記事　演劇一般など、それぞれ活動のジャンルごとに掲載しています。 ●ENAK編集部 ●編集局文化部
月組「エリザベート」制作発表 思い切り妖しいトート、そして凛としたエリザベート 記者会見に臨んだ彩輝直(右)と瀬奈じゅん=東京都港区のホテル 宝塚歌劇団は21日、東京都内のホテルで来年の月組公演「エリザベート−愛と死の輪舞(ロンド)」(脚本・歌詞／ミヒャエル・クンツェ、音楽／シルヴェスター・リーヴァイ、オリジナル・プロダクション／ウィーン劇場協会、潤色・演出／小池修一郎)の制作発表を行った。 来年2月4日から宝塚大劇場(3月21日まで)、4月8日から東京宝塚劇場(5月22日まで)で上演予定で、月組トップスター、彩輝直の退団公演で、彩輝は東京公演千秋楽の5月22日で退団する(関連記事：ありったけの想いを込めて)。 ヒロインのエリザベート役には花組男役の瀬奈じゅんが配役されているのも話題。エリザベートを男役が演じるのは初めて。瀬奈の起用について演出の小池は「現在、月組には娘役トップが不在で、男役、女役を問わず、エリザベートとという複雑な人間性をもった人物を演じるのにだれが適切かと考えた場合、瀬奈が適していると考えた。瀬奈は『風と共に去りぬ』(14年)で(女性役である)スカーレット・オハラを演じてもいるし」と説明した(関連記事：「風と共に去りぬ」STAGE GRAPH)。 「エリザベート」は、1992年9月、オーストリアのウィーンで開幕したミュージカルで、現在ウィーンで再々演中。19世紀末のハプスブルグ家の“斜陽期”に、ヨーロッパ一の美貎（びぼう）とうたわれたオーストリア・ハンガリー帝国皇后エリザベートの数奇な運命を、黄泉の帝王、トートを絡めて描く舞台だ。 宝塚版は平成8年に雪組(一路真輝=トート、花總まり=エリザベート)を皮切りに、星組(8〜9年、トート=麻路さき、エリザベート=白城あやか)、宙組(10〜11年、トート=姿月あさと、エリザベート=花總まり)、花組(14〜15年トート=春野寿美礼、エリザベート=大鳥れい)(関連記事：東京公演始まる)と上演し、今回の月組で全5組が上演することになる。今回は、「私が踊る時」という新しい歌が加わった花組版を演じる。 会見に先立ち劇中歌「私が踊る時」を披露した彩輝直(左)と瀬奈じゅん=東京都港区のホテル 制作発表には彩輝と瀬奈が出席。それぞれトートとエリザベートの扮装を初披露し、「私が踊る時」を歌った後、記者会見。 星組の新人公演でトートを演じたことがある彩輝は、「この作品と再会できてうれしいです。当時では見えなかったもの、そして今感じることを丁寧に(役に)盛り込んでいきたい」と意欲を語った。退団公演になるが、「これで退団という思いより、現在進行していることに充実しているし、大切な月組の仲間たちといい状態で過ごせることが大事だと考えています」と力強く語った。 トートの扮装、化粧についてもいろいろ研究したという。この日の化粧は自分でではなくメーク担当者にしてもらったというが、銀髪をまじらせたかつらが、どうやら彩輝トートのトレードマークになりそう。「いってみればシルバートート」とは小池。 花組公演の際はエリザベートの暗殺を企てるルイジ・ルキーニを演じた瀬奈だが、ドレス姿に「スカートをさばきながら動いたり座ったりするのは難しい。きょうは緊張のあまり扇をもつ手が震えました。本番の緊張感はこれ以上でしょうからがんばります」と、ふだんの男役以上の緊張感をみなぎらせた。 「あやしさがある。暗い情念を表現できる」(小池)彩輝ならではの思いっきり妖しい黄泉の帝王、トート。「男役だからこそ生きたいという意思をより強く表現できるのではないかと」(同)という瀬奈の凛(りん)としたエリザベート。どんな“新しい”「エリザベート」を見せてくれるか。 ◆◆◆ 会見詳細 ◆彩輝　直 ◆瀬奈じゅん ◆小池修一郎 (C)2004.The Sankei Shimbun All rights reserved.