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月組「エリザベート」制作発表
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瀬奈じゅん「実在のエリザベートを意識して」
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■瀬奈じゅん 花組公演「エリザベート」(平成14〜15年)では、エリザベートを殺害するルキーニという役を、ひげをつけてがんばりましたが、今回はそのルキーニに殺されるエリザベートをさせていただくことになりました。全身全霊、魂を込めて演じたいと思っています。この公演は彩輝(直)さんの退団公演ですので、月組のみなさんとひとつになって盛り上げていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
──エリザベートという女性のどういう部分にスポットライトを当てたいか
■瀬奈 現時点でいえることは、とにかく、演出家である小池(修一郎)先生に、そして、彩輝さんについていくということ。とにかく必死についていこうという思いがあるので、役に関してこういうふうにやってみよう、ああいうふうにやってみようというのは、まだ考えられない状態。(小池)先生の意図するもの、彩輝さんが表現したいものを大切にしながら自分なりのエリザベートを作れたらいいなと思っています。
──ご自身がいちばん驚いたのではないかと思うが、エリザベートに決まったときに気持ちは? 今の自分を見てどう思うか?
■瀬奈 私がいちばん驚いたと思うんです。でも、こんなすてきな役をやらせていただけることは、もう、ほんとうにあり得ないことだと思った。さっき小池先生もおっしゃいましたが、人間を演ずるにあたって男役も女役も関係ないと思っているので、私らしくがんばりたいと思っています。このドレスを着た自分を見て、えー、なんともいえない気持ちなんですが、えへ、恥ずかしい気持ちでいっぱいです、はい。
──緊張するか?
■瀬奈 緊張して扇をもつ手が震えました。本番はこれ以上だと思いますから、がんばります。(パンツ姿のほうが)ホッとしますね。たしかにスカーレット・オハラ役もやりましたが、あのときは、それほど違和感はなかった。スカートをさばきながら動き、座るのは難しいですね。
──メークはどのくらいの時間がかかったか?
■瀬奈 午前8時から始めました。鏡を見ながら「美しくなるのは時間をかけないといけないんだなあ、がんばろう」と思いました。お化粧はもう、メークさんの思うままに。私の顔を生かしたものならいいと、お任せしました。
──足元はハイヒールのようでしたが
■瀬奈 ハイヒールに違和感はありませんが、脱げそうになりました。(花組公演でエリザベートを演じた)大鳥れいちゃんが、なんども脱げちゃっていたんですが、ああ、これかあと思いました。
──きょう「私が踊る時」をうたったが
■瀬奈 地声と裏声の切り替えが難しい。中途半端に高い部分がひっかかりますね。歌の稽古はかなり前からしていました。月組の東京公演のときも終演後に稽古していたんですよ。のどがびっくりしているみたいで、慣れないといけないと思っています。
──心なしか、メークを落としても女っぽさが漂っているが
■瀬奈 え? そうですか? もっといってください!
──スカーレットを演じたことがいい経験になっているのか?
■瀬奈 やっぱり大きいですね。
──改めて聞くが、どんなエリザベート像を?
さまざまな資料、本を読んでいますが、私の中では(大鳥)れいちゃんのエリザベートの存在が大きい。もちろん、同じようにしようとは思いませんが。とりあえず小池先生の描くエリザベートに近づきたい。また、実在の人物ですから、そのあたりは意識しています。本人の気持ちまでが資料で残っているわけではないのですが、残されている手紙を読むなどして、そこをうまく取り入れたい。(花組公演で)ルキーニをやったときもそうでしたが、大劇場、東京劇場と役に対する思いは常に変化します。自分の中のそういう変化を楽しめたらいいなと思います。月組公演「飛鳥夕映え」で共演して彩輝さんのことが分かりました。心の豊かな方ですから、私は必死についていくだけです。
──月組はどんな組だと感じたか?
■瀬奈 温かい組です。
──彩輝のトートは?
■瀬奈 きょう、衣装をまとって階段から下りてきた彩輝さんをみた瞬間、「うおぉぉぉ」と思いました。この世のものとは思えない美しさ。すごいなあ。ついていこう、と。
──11月からコンサートの予定がありますが
今、お稽古中です。月組の下級生のみなさんと一緒にさせていただきます。とてもいい雰囲気ですから、ぜひいらしてください。ショーの2本立て、という感じのものになります。
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