SUMiRE STYLE    010710    

私は常に役に染まりたい    紫吹 淳
月組「大海賊」「ジャズマニア」制作発表[2]


 いまだ(トップの)実感がないというのが本音で、困っているんですけれども、いま、こうして現在、みなさまを前にして、右に左に、こう、肩に責任の重みがのしかかったかなという感じがしています。

 東京先発ということで、とてもプレッシャーもありますけれど、プレッシャーをバネに変えて新しい月組という若さとパワーで、新しいいいお仕事をして、たくさんのみなさまに見に、足を運んでいただきたいなと思っています。よろしくお願いします。

Q   映美の印象は?


 彼女と出会ったのはたまたま、彼女の初舞台で月組の『ノバ・ボサ(・ノバ)』にラインダンスのみに出演していて、そのときに出会ったんですけど、舞台を見たのはこの間、『ベルサイユのばら』でオスカルの子供時代をやってたのが初めてで、そのときにすごくハートのある子だなという感じを受けまして、印象的で、初舞台のときから若干しゃべったりしてるんで顔見知りであったんですけれど、これからトップになるにあたりまして、2人で何色にでも染まる、透明なカップルでいたいなと思います。

Q   大海賊ではそれこそ海賊を演じるわけだが


 みなさん、海賊のイメージというと黒髪、アイパッチ、ターバン…というところだと思うのですが、今回はみなさまの抱いている海賊像を裏切りたいなと思っています。髪の毛も金髪です。

 私の演じるエミリオは、生まれながらの海賊ではなく、作品にはいろいろな海賊が出てきますが、私の演じる海賊がどうしてほかの海賊と違うのかという点も楽しんでいただきたいですね。

 海賊というと男の物語で、力強いダンスを中心に、男役が主に、その間に彼女(映美くらら)が出てきて、明るくなるような作品にしたいです。

Q   演出家が紫吹さんの個性が…と話していますが、ご自分では紫吹淳の個性は何だと


 私はそもそも他人と同じことをするのがいやなんです。演じるにあたっても、エミリオであればエミリオになりきる。正統派男役のイメージを崩すとか崩さないとかを考えるのではなく、私は常に役になりきりたい。こういうところが私の個性といわれるものになっているのではないでしょうか。

Q   紫吹さんの描く男役像とは


 私は舞台上とオフとで完全に切り替えることができるんです。もちろん常にベースには自分なりの男役像というものがあります。

 私の男役のポリシーは、“男性という生き物は、絶対に優しいはずだ”です。この考えが私の男役のベースになっています。女性には優しい、それがポリシーかな。

Q   オンとオフとはっきりと切り替えられると


 舞台上では徹底して男を追究して、舞台を降りたら、まあスカートははきませんが、ひとりの“男優”というか俳優でいたい。そして時代を感じていたいです。実はスーツはあまり好きじゃなんいですけど、お洋服をいろいろと着るのはすごく好きでして、スカートをはけないのは実は悔しいのですが、まあ、それは“後々の夢”としてとっておきまして。

 ただ、ふだんの装いも男役像を壊さない程度にしなくては。宝塚をしょってたつ立場なので、そういうとろこは気をつけないといけません。

Q   きょうは映美さんとそろって白い服装ですが


 2人で人前に出るのは今日が初めてなので、身を引き締める思いとか、清らかな思いとかがあって白を選びました。それと海賊なので、ボーダーを下に着てみました。

 本当は透明にしたかったんですよ。白はにごることもあるじゃないですか。透明は何色にでも染まることができる。私は辞める日がくるまで透明な役者でいたいんです。

石井健@産経新聞Web編集部    






「いつまでも透明でいたい」と語った紫吹淳=東京・丸の内の東京會舘
笑顔が絶えなかった紫吹淳=東京・丸の内の東京會舘
『大海賊』の主題歌「心がふるえるとき」を熱唱した紫吹淳=東京・丸の内の東京會舘
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