リーサ インタビュー[4]
|| 1日の終わりにリラックスして聴いて
−−アルバムの選曲はだれが?
リーサ 私よ。
−−この10曲が選ばれた理由は?
リーサ ありますが、それより大切にしたのはアルバム全体の統一感です。1日の終わりにリラックスして聴いてもらえたり、夜中に恋人といっしょに聴けるロマンチックなものにしたいと考えました。そこで歌詞とかを読んで選びました。
−−早いテンポで、スキャットをするのは?
リーサ 実は最初は全部で16曲レコーディングして、その中から3曲だけは今回のアルバムに入れましたけれど、残り13曲はボツにしました。その中には早いテンポのものもありました。将来は、そういうものもやるかもしれません。このアルバムは意識的にゆったりとした曲を届けたいという気持ちで作りました。
−−ドアーズ「ハートに火をつけて」の、このゆったりとしたテンポのアレンジ。手本があったのですか?
リーサ この曲を初めて聴いたとき、そばに(トランペット奏者)クリス・ボッティがいました。彼は「この曲嫌いだ。嫌いなのに、頭から離れない」って口笛でメロディーを吹き続けていました。1年ぐらいして、何かのきっかけでこの曲を思い出して、ソフトな感じでやってみようとひらめいたわけです。
−−クリスとは仲良しのようですが
リーサ 大親友。
−−彼、二枚目ですよね
リーサ そうね。ふたりでいるとよく、きょうだいに間違えられる。
−−恋人には…
リーサ いいえ! あ〜いい話が出来なくてごめんなさい。
−−もうひとりのゲスト、デビッド・フォスター。かつては歌もうたっていましたが、いまや敏腕プロデューサーとして名をはせています。そんな彼をプロデューサーとしてではなく、をあえて歌手として迎えたのは、なぜ?
リーサ 拷問にかけてやりたかったのよ! よく2人で飲みに行くんだけど、そういう場では彼はうたうの。だから、私は彼がよい歌手であることは知っていました。それが理由。彼はね「確かに君と仕事をしたいといった。だけどそれはプロデュースするといったのであって、うたうなんていってないぜ」って騒いでいたわ。
−−スタジオでも飲みながらうたえば…
リーサ もしかしたら飲んでいたかもね。でも、彼、そんなにお酒は強くないのよ。
−−こうやって話を聞いていると、デビッドもクリスも仕事以前に友人だったという印象ですね?
リーサ 私の“恋人ではないクリス君”を通じてデビッドとは知り合いました。クリスの録音現場に遊びに行った際、デビッドに「私のデモテープを聴いてもらえますか」と尋ねたら「いいよ」というから送ったの。そうしたら彼から「仕事をしたい」と電話がかかってきて。で、私は「じゃあ、うたってね」と。
−−しかし、著名な彼にプロデュースしてもらったほうが、セールスポイントになったのでは?
リーサ でも、私は自分でプロデュースしたかった。もちろんいつかは、お願いするつもりです。彼はいまの音楽業界では最高のプロデューサーですから。
−−今回は自分の思い通りにアルバムを作りたかったということ?
リーサ そのとおりです。それにデビッドは売れっ子です。ということは多忙。私の録音のためにさける時間は限られていたでしょう。そのことも考えたのです。私の父はよくいったものです。自分でできることは自分でしなさいと。今回、自分でできないと感じたことはなかったので自分でしたまでです。いつか、私が書いた曲を録音する際は、ぜひ彼のプロデュースにゆだねたいです。そのほうが客観的に作れますから。
−−ジャケット写真は、50年代ふうでよい雰囲気ですね?
リーサ 気に入ってくれた? この私は隠れながら自分を見せている。彼女は「抱いてほしい(エンブレイサブル)」のよ! (ジャケットに向かって)ねえ、リーサ、あなたは何をしたいの? あ、ごめんなさい、時差ボケで自分を見失っちゃった!
−−お疲れのようで…
リーサ 大丈夫。もっと何時間でもインタビューを続けて。そのかわり、ビールを飲みながらよ!
−−ライブは?
リーサ そんなにではないけれどやっていまよ。
日本でのライブ のときはきてね。こなかったら、セガールの映画で覚えたカンフーの技をお見舞いするわよ!