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上妻宏光インタビュー[4]
||挑戦続けたい
−−民謡など古典以外の曲を演奏することに批判はないのか?
今の時代の音楽、演奏家とぶつかりああうことで、その時代の音楽ができます。今の感覚で三味線を弾くことで今の自分の音楽を作りたい。三味線の間口を、可能性を広げたい。逆にいえば、そういうものがあればこそ古典のほうもさらに見直されるのではないかと考えているんですよ。

−−なるほど
古典をないがしろにするつもりはありません。むしろ、日本を見つめ直さなくてはいけないと思っています。日本人としてのアイデンティティーがないとアジアの中で孤立するのではないか。日本には歴史があるのに、なぜ先達の残したものを忘れるのか。日本人の文化、音楽を聴いたことがないと、海外に出たときに、日本人としての誇りをもてず、オドオドしてしまう。ここ2、3作は民謡や祭りをテーマにアルバムを作っている理由は、そういうことです。

上妻宏光 −−ハービー・ハンコックやマーカス・ミラーらと共演しているが
海外の演奏家と共演する際、大切なのは三味線らしいフレーズを出せることです。ギターみたいな演奏をしたところで「ああ、すごいね」という反応でしかない。三味線らしい演奏を聴いて彼らは初めて「すばらしい」とたたえてくれるのです。

−−今後は
挑戦を続けたいです。違うことをやってみたいと、と常に思っています。ジャズ、クラシック…。演奏相手が変わると表現方法も変わる。

−−三味線と相性の悪い楽器ないのか
はじてめドラム奏者と競演したときは、これは合わないなと感じました。ところが、後にほかの演奏家と出会ったら、その人は三味線をうまく浮き上がらせる演奏をしてくれた。あきらめた瞬間に一生やることがなくなってしまうわけで、「あれ?」と思ってもできるだけ全力で挑戦したい。きょう相性がよくなくても、もしかしたら…という可能性をもち続けていたい。「ここまでやったけど、だめでした」という見極めの作業を、もう少し続けたい。

−−今回の宝塚歌劇とのコラボレーションのような仕事は?
映像と音楽がシンクロしている世界は、ずっとやってみたかった。それを今回体験することができた。映像に触発されて曲を作ったり、そういう分野の仕事を増やしたくなりましたね。


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蒼風
EMIミュージック・ジャパン TOCT-26304
1. 我風
2. 草原の彼方
3. 「風林火山」〜月冴ゆ夜〜
4. 天翔る鳥
5. 焔−ほむら−
6. 宵祭−よいまつり−
7. 月ぬ美らさん夜
8. 祝い歌〜天地開闢〜
9. 祈−いのり−
10. かごめかごめ
11. 蒼乱舞


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上妻宏光 Official Website