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月組 遼河はるひ:タカラジェンヌ 夢の軌跡
(1)「鳳凰伝」で芝居の楽しさ自覚
1月5日(木) 大阪夕刊 by 平松澄子
AHIちゃん 立ち姿の美しさが映える長身(174センチ)の男役スター。元日から宝塚大劇場の月組公演「パリの空よりも高く」「ファンシー・ダンス」に出演中(2月5日まで)だ。正月公演は宝塚バウホールや東京公演などを含めると5年連続。「当たりがいいんです。一段と華やかで身が引き締まります」という。

名古屋市出身。宝塚歌劇を初めて見たのは高校生になってから。「『華麗なるギャツビー』(平成3年)にハマってしまったんです。急に背が伸びたこともあって、バレエや歌など全くやっていなかったのに、音楽学校を受験しました。1回目は当然ダメ。1年間予備校に通って短期集中でレッスンして、2度目に合格できました」

初舞台は8年の「CAN−CAN」で、そのまま月組に配属される。10年の「WESTSIDE STORY」でジェット団の一員に選ばれたことが、強く印象に残っているそうだ。「まだ下級生だったのにオーディションで選ばれて、本公演でも『クール』など有名なダンスを踊らせてもらった。踊りまくっていましたね」

12年のバウ「更に狂はじ」は初めての日本物で、能楽一家の三男でさぼりぐせがあるというコミカルな役。大劇場「ゼンダ城の虜(とりこ)」の新人公演では初めての悪役を演じた。「お芝居をしているのが妙に楽しくて。男役としてやっていきたいという意識が芽生えた時期です」

13年9月に宙組へ組替えになったが、「ショックはなかったです。ちょうど自分を変えたいと思っていたので、いいチャンスを作っていただいたという気持ちでした」と前向きにとらえて、大劇場「カステル・ミラージュ」から合流する。

そして翌年の大劇場「鳳凰伝」の新公ではカラフ役で初主演を果たす。「お芝居して、歌っての繰り返しで、出ずっぱり。それまでそんなに歌ったことがなかったので大変でしたが、あとで“やったー”と自信になりました」。体の大きさが生きる役を得て、手応えを感じて新公を卒業した。

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(1)「鳳凰伝」で芝居の楽しさ自覚
(2)日舞の鍛錬が栄える日本物
(3)敵役で初めて知る舞台の怖さ
(4)悲劇のヒーローに挑戦したい