月組 遼河はるひ:タカラジェンヌ 夢の軌跡
(4)悲劇のヒーローに挑戦したい
1月26日(金) 大阪夕刊 by 平松澄子
宙組から月組へ組替えになって初めてになる宝塚大劇場公演に現在、出演中(2月5日まで)。
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「パリの空よりも高く」の幕開きのレビュー・シーン |
ロマンチック・コメディー「パリの空よりも高く」の幕開きは宝塚らしいたおやかなレビュー・シーンで、遼河は黒燕尾にシルクハット姿でさっそうと登場。そのあと芝居では、エッフェル塔建設に投資するロルボン財閥の御曹司ジェラールを個性的に演じている。
「もうかることしか頭にない、いまどきの青年の役。見かけはかっこつけてビシッとしているけれど、性格がいけすかないって感じ。でもどこか、かわいい部分が出せたらと日々、工夫してるんですが…。難しいです」と奮闘している。
レビュー「ファンシー・ダンス」ではさまざまなダンスに挑戦しているが、一番の見せ場は人形劇「ペトルーシュカ」をもとにした幻想的なタンゴ・ノワール。
「ダレン・リーさんの振付がとっても素敵(すてき)なんです。私は霧矢(大夢)さんを三日月刀でバッサリ切るムーア人の役。以前の月組時代に『更に狂わじ』(平成12年、宝塚バウホール)でご一緒させていただいたときは、私はまだ小さい役だったので、今回お隣で踊らせていただくのがうれしくて。毎日緊張しながらやっています」という。ショーでは長身がひときわ映えて大きな武器だ。
組でのポジションもあがってきて、これからどういう男役を目指すのか。
「オーソドックスとか品とかを大切にして、自分らしさを一番出したいですね。宙組にいて築いてきた自分のよさを、月組になっても染まらずに伸ばしていって、自分のカラーになればうれしい。それと…日本物を絶対にやりたいですね。すごく相手役を好きになって、大恋愛の果てに悲劇的に死ぬ役をやってみたい。これまで私、殺されるような役はあったけれど、美しく死ぬ役はあまりやっていないんですよ」。大悲劇のヒーローを期待しよう。
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次のシリーズは花組の壮一帆です。
2007年の遼河はるひの記事
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遼河はるひ(3):タカラジェンヌ 夢の軌跡
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遼河はるひ(2):タカラジェンヌ 夢の軌跡
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遼河はるひ(1):タカラジェンヌ 夢の軌跡
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