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撮影・早坂洋祐@写真報道局 click a photo |
−−花組「エリザベート」(2月9日まで東京宝塚劇場で上演)で、トートを演じています
これまで雪、星、宙と各組のトップさんが演じてきた役で、稽古(けいこ)の最初の1週間ぐらいは不安でした。本番が始まっても、お客さまがものすごく期待しているのを感じて、緊張が続きました。
−−そのプレッシャーをいつどのように克服したのですか?
相手役とのやりとりからわき起こってくる感情に素直に演じるうちに、自分のトートが生きてきたように思います。
−−トートは死の帝王。エリザベート(大鳥れい)に出会い、愛し、彼女の魂を求めます。
大鳥のエリザベートには生きる強さがある。だからトートも、彼女の死を待つだけではだめ。自分から追い求めていかなくてはいけない。そんな役づくりをしました。
−−歌のほうも名曲ぞろいですが
実際に歌うとすごく難しい。トートのメッセージ、気持ちを歌で伝えなくてはいけない。気持ちと技術のバランスをとるのが難しいんです。
−−特に気をつけたことはありますか?
のどのケアは特別に気をつけています。睡眠時間をしっかりとること。あとは口の中が乾くのが怖いので、常に水分をとって潤っている状態にしています。
−−春野トートはブルーの髪ですね
かつらはブルーと決まっています。肌の色や口紅もブルー系を使っています。ただ、宝塚の舞台は西洋人を演じるためブルーをよく使うので、それとは違う光の加減で微妙に変わるものをいろいろ探しました。
−−花組トップスターとしての意欲は?
トートを演じ、自分ならではの役を作りあげることが、花組トップという自覚にも反映していったと思います。最後に大階段を下りてきたとき、下から見ている組子たちをすごく愛(いと)しく感じるんです。トップとしての自分を充実させることが大事だと感じています。