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美の神、生身の「男」、そして燃焼への序章
花組「ミケランジェロ」制作発表会見詳細[関係者] 010530


植田紳爾理事長
植田紳爾・宝塚歌劇団理事長  この「ミケランジェロ」「VIVA!」の2本立てが、愛華みれのサヨナラ公演となります。愛「源氏物語」「ルートウィヒ」など華が今日までがんばってきたその歴史を重ね合わせたような作品で、最後の花道を盛大に飾ってやりたいのでみなさまにもご協力をお願いします。(会見後の懇親会のあいさつで)タモちゃんは剣道が得意だから立ち回りをやらせてあげたかったけどかなわなかったのが心残りですが、どうかこの公演を成功させてください。
加藤重義・三井住友カード社長  愛華さんのサヨナラ公演を冠することになりました。これまで14年間、毎年、のべで20回の公演を冠してきましたが、「この公演をぜひ冠させてほしい」と申し上げたのは今回が初めてです。これまでは歌劇団のほうからおすすめいただいたものを喜んで引き受けていました。というのも、ご存じのとおり、愛華さんは平成5年から8年間、私どものイメージキャラクターとしてテレビCM、広告、ポスターにと大変活躍していただき、お世話になってきたからです。宝塚のモットーは「清く・正しく・美しく」ですが、当社のモットーは「強く・正しく・やさしく」にしているほどで、今年は星・宙組の「ベルばら」を協賛させていただきましたが、これも歌劇団のおすすめいただいたからですが、今年はちょうど当社も社名を変えた年だし、21世紀のスタートの年でもあり、加えて「ベルばら」は歌劇団の不朽の名作ですから、この再々演をよろこんで冠した次第です。ところが、そ後に愛華さんの退団発表があったわけで、これは万難を排して協賛しないといけない、と。大リーグでイチローが活躍していますが、打率は3割6分だそうです。宝塚の8公演のうち当社が協賛させていただいているのは3。打率にすれば3割7分5厘でイチローを上回るわけです。当社は引き続き、宝塚とともに成長したいです。
出席者ひとりひとりが愛華のサヨナラを成功させたい思いを語った=東京都千代田区の東京會舘
「ミケランジェロ」作・演出の谷正純 ミケランジェロという天才を主人公にしたくていろいろ調べたら、けんかが原因で鼻は折れ曲がっているというし、美に対してコンプレックスを抱き、女性関係には奥手だというし、これは宝塚にはどうかな、と思ったのですが、しかし、そんなミケランジエロでも宝塚には宝塚としての“見せ方”があるのではないかと思い直しました。ミケランジェロについては、いろいろな人が書物に書いていますが、私は彼が遺した作品を実際に見て、この人はでっかい愛をもっている人間だろうなと見ました。大きな愛をもった人間--をコンセプトに作っています。(ポスターを指して)多分、実際のミケランジェロはこんなに豪華な衣装は着ていなかったと思いますが、死の2日前まで彫刻を彫り続けた情熱の持ち主で、退団のその日まで愛華が抱いているであろう、愛華の情熱をそこにぶつけてほしいなと思いながら作っています。この公演の前後に「ベルばら」という作品があるのですが、負けないようにがんばっていきます。私は愛華が研二のときに初めて仕事をしたのですが、そのころは男役が似合っていなかった。そのときからずっとやり続けてきて、これだけがんばったのだから、どこまでやれるものかを知りたい気持ちが、いま、あります。これまでの成果をこの「ミケランジェロ」で見てほしい、という気持ちが。
「VIVA!」の作・演出の三木章雄 「VIVA!」はいろいろなショーの中で、叫ばれている、なじみのある言葉ですが、調べたら「喜びが爆発するときに出る言葉」らしいです。出演者も観客も素直に叫ぶことができるストレートなショーを作りたいですね。この間、プロローグのけいこをしました。プロローグで愛華が歌う歌として「私は夢を作る/私は夢になる」という歌詞を作ったのですが、愛華のいまの気持ちに重なる部分があるのではないかと思います。さらには宝塚全生徒の基本的な気持ちでもあるかなと思っています。最後の最後の、高いところへと上がる愛華を見せたいです。舞台が本当に夢ににるショーを作りたいです。愛華についていえば、天性の美貌というか、強くて硬い男性的なものを、もろくて柔らかい、女性的なものをもった人が表現するのが彼女のおもしろさです。このギャップを表現できたらおもしろい。


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