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美の神、生身の「男」、そして燃焼への序章
花組「ミケランジェロ」制作発表会見 愛華みれ発言    010530


「男役として男の生き方の深い部分を追求させられてきたと思っています」と語った愛華みれ=東京都千代田区の東京會舘


 三井住友VISAカードには、トップになるかどうかなど分からなかったころからお世話になっていまして、今回こうして華やかなものになることに感謝しています。花組はともかく元気でがんばる組ですから、「ベルサイユのばら」にはさまれる形にはなりますが、乗り越えていきたいです。

 ミケランジェロは、テンションを上げないと演じられません。(「〜夢と孤独の果てに〜ルートヴィヒII世」の)ルートヴィヒのようにひきこもっていてはできない。これはかなりの力が必要だなと思っています。

 ちょうど私の中の「宝塚が好き」という気持ちが盛り上がっているところなので、そのあたりがうまく重なるといい。力つきるまで演じたいと思います。

 舞台となるイタリアという国ですが、芸術の生まれた国ですし、個人の生き方を大切にしているなということを感じます。

 このお仕事をいただく前は、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロとがごっちゃになっていた部分もあったのですが、これが最後だなんてもったいないなというぐらいの題材だと思っています。

 実際には女性との関係も希薄だったといい、ラブロマンスにならないような気もしますが、男が生きる深さ、愛、優しさ…などを人間としての部分を見ている方に伝えられたらいいなと考えています。

 ものの本で読むとミケランジェロはたいへんなコンプレックスをもった人という感じで、いまの芝居の方法だときれいになるかどうか不安ですね。みなさんの目にどう映るか…。

仲良しの2人。愛華みれと大鳥れい(左)=東京都千代田区の東京會舘


 ただ、私が男役をやるときは形だけでは納まりたくない。ルートヴィヒのときのテーマは「弱さ」。今回はある意味で、“優しさが怒り”--みたいなところがある。特殊かもしれませんが、宝塚ではなくほかの芝居でしたら人間らしさがもっと出るかもしれませんね。

 私の場合、与えられるテーマはずっと「人間」だったような気がしますので、かっこよさよりは男の悩みとか、男だって泣くんだぞというところなどを追求させられてきたのかなとも思っていますから、そっちのほうにいくのでは。  ひげですか? 私はつけたいのですが、劇団はつけさせたくないようですね。公演を重ねるうちに少しずつつけたりして…。

 重い題材で、こりゃ大変だと思ってもいますけど。

さらに仲良しのふたり=東京都千代田区の東京會舘


 「VIVA!」については、プロローグの歌がのりのりで、心から叫ぶことが出来る雰囲気です。すごく夏向きの内容ですし、みんなが発散できるのでは。

 お客様ものりやすいので一緒に叫ぶことができる作品になると思っています。

 サヨナラショーではどうしても黒えんび服を着たいです。黒えんびこそは男役ならではの衣装なので、あるといいな、と「宝塚おとめ」(歌劇団発行の名鑑誌)には書きましたけど、どこまで考えていただいているかは分かりません。

 ともかく、みなさまもぜひ、私と一緒に燃え尽きてください。

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