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西山瞳インタビュー［２］
||物語をつづりたい
結局ジャズを演奏したくなった。ジャズの勉強は音大に入ってから始めた。定石通り本場米国のジャズを聴いていたが、次第に違和感を覚えはじめた。
「ジャズはだいたい、ソロがあって、ソロがあって…。スポーツを観戦しているようなところがありますよね。私は、そうじゃなくて物語を作るような、小説のようなドラマチックさを求めていました」
21歳のとき、イタリアのピアニスト、エンリコ・ピエラヌンティの作品と出合うや一気にひかれた。“技の出し合い”のようなジャズではなく、物語を紡ぐような音楽だった。
さらに「彼にひかれる理由は、彼が書く曲のよさにある」と、重要なのはオリジナル曲を作ることだということを学んだ。
それからは毎日、エンリコの演奏をコピーし、自らの演奏スタイルを練り上げ、１カ月に１曲というノルマを自らに課しながらオリジナル曲作りに励んだ。
ジャズクラブに出演するようになったが、求められるのはスタンダード曲の演奏ばかり。オリジナル曲をやりたいのに。しかも欧州スタイルは認知されていなかった。そこで、理解を促すために自主製作のＣＤを作ったり、横浜で行われたジャズのコンペに出場するなどした。コンペではグランプリを獲得した。
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