「KEAN」で日生劇場4度目の主演
専科 轟悠 難役に熟練の演技でぶつかる
8月25日(土)
大阪夕刊 by 平松澄子
宝塚歌劇の日生劇場公演は平成14年の「
風と共に去りぬ」を皮切りに、15年「
>雨に唄えば」、16年「
花供養」、17年「
Ernest in Love」、18年「
オクラホマ!」と毎年、計5回上演。轟は「風と−−」「花供養」「オクラホマ!」に主演しており、「風と−−」では菊田一夫演劇賞などを受賞。今回は4度目の主演で、専科の轟にとっては“ホームグラウンド”ともいえる劇場になっている。
「ホントご縁をいただいて、ありがたいことです。通常の宝塚の公演とは違った方向の作品ばかりなので、毎回毎回が勉強の場で緊張します。ただ、苦しむ分だけ喜びは倍になる。キーンは役者としてちょっと時計が狂っている部分を、楽しんでみていただだきたい。難しく考えないで、単純に物語の世界に入ってほしいんです。すごく不思議な世界の舞台にできあがると思います」
細部まで気配りした熟練の演技が期待できそうだ。
私の気になる言葉
「座右の銘とかはないんです。今は『KEAN』のことしか頭になくて…」と台本をパラパラめくりながら、「これがキーンっぽいかな」と選んでくれたのが、「ロミオとジュリエット」から引用した言葉。
ロミオ〈逃げて生きのびるか、止まって死ぬか〉
キーン〈馬鹿げている〉
お稽古で落ち込んだときに、ふと出てくるのは歌のフレーズという。「中盤から後半の煮詰まったときに多いかな。♪人生楽ありゃ苦もあるさ…。♪ケ・セラ・セラ…。♪上を向いて歩こう…。なぜかこの3つのフレーズをブツブツくり返しているんです」。自分を鼓舞する“呪文”のようだ。
プロフィル
轟悠 とどろき・ゆう 熊本県人吉市出身。昭和60年「愛あれば命は永遠に」で初舞台。月組を経て雪組へ移り、平成9年雪組トップに就任。12年「凱旋(がいせん)門」の演技で芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞する。13年「愛燃える」「RoseGarden」を最後に、14年専科へ移籍。15年には宝塚歌劇団理事に就任した。絵画も趣味の域を超えた腕前で
個展を3回開催している。
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東京・日生劇場公演「KEAN」は9月1〜23日。共演は柚希礼音、南海まり、蒼乃夕妃ら星組選抜メンバー。
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