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「ベルサイユのばら」のアンドレ役 |
雪組時代は日本物の作品で苦労したという。平成15年の宝塚大劇場「春麗の淡き光に」では源頼光の弟・頼信役、バウホール「春ふたたび」の藤原道忠役、16年の大劇場「
スサノオ」の夜を司(つかさど)る神・月読役など。いずれも和服姿の立ち姿が美しく、評判はよかったのに、本人は「すべてダメ」と手きびしい。
「雪組はみんな日本物のプロで、所作事など当たり前のようにできる。私は『春麗−』が初めての本格的な日本物だったので、いちいち悪戦苦闘でした」
趣味の剣道は初段の腕前なのに?
「剣道とは全然違います。立っているだけの形はいいかもしれないけれど、立ち回りの段取りが覚えられないし、日舞も苦手。ただ、日本物は大好きです。高校の時にアメリカやニュージーランドにホームステイして以来、日本文化のすばらしさに気付かされました。もっともっと勉強してがんばります」
16年はほかに、バウ「さすらいの果てに」のジェフリー少尉役で主演。17年は大劇場「
霧のミラノ」で闊達なエルコレ・バローネ役、バウ「DAYTIMEHUSTLER」では繊細なヘイワード役を好演した。
18年は宝塚を代表する「
ベルサイユのばら−オスカル編」に出演。雪組トップ、朝海ひかる主演の大劇場公演では近衛隊のジェローデル少佐と衛兵隊士メルキオールを役替わりで演じ、水夏希主演の全国ツアー公演ではオスカルへの愛を内に秘めたアンドレを熱演した。
「3つもの役ができて幸せ。“ベルばら”を満喫しましたね。衛兵隊士は気楽にできたし、アンドレは悩みつつも役に没頭できたので、役者としてやりがいがありました。一番難しかったのはジェローデル。出番も動きも少ない中で、どれだけ貴族の品格と存在感を表現できるかを考えさせられました」
その“ベルばら”の稽古中に、再び花組への組替えが発表された。
「やっぱりショックでした。雪組での6年間は、ひとつのチームとしての深いつながりを何回も経験させてもらって、技術面はもちろん、精神面でも舞台に立つことの大切さを学んだベースは大きい。組替えが決まったあとの公演では、これまでの集大成を見せる意気込みで、思い出作りを楽しんじゃおうってノリでやりました」
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