タカラジェンヌ 夢の軌跡 星組 涼紫央
(1)病を克服して立った初舞台
大阪夕刊 by 平松澄子
スキッとした容姿のノーブルな男役スター。23日初日の宝塚大劇場公演「さくら」「シークレット・ハンター」に出演する(4月30日まで)。
大阪・堺市出身。宝塚ファンの母親に連れられ、小学校のころから宝塚歌劇の舞台はよく見ていた。ところが、受験できることを知ったのは中学3年生のとき。早速、チャレンジしたもののあえなく散った。
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「プラハの春」新人公演初主演の涼紫央 |
「私は小学校時代から乗馬に夢中で、芸事は全くしていなかった。落ちてからすごく泣いて、バレエや声楽を習い始めたけれど、2度目もダメ。真剣になったのはそれからで、乗馬もやめてレッスンに励み、3回目で合格できました。今思うと、あこがれだけだった1回目で入っていなくてよかったです」
宝塚音楽学校時代は、「メチャクチャ楽しかった。つらい思い出はなくて、もう一回やりたいぐらい」。成績はずっと2番で通した。「ダンスも歌も得意じゃなかったけれど、どうしたら点数が上がるか、上手な見せ方の要領がよかったのかな」
初舞台は平成8年の「CAN−CAN」(月組)だが、直前にアクシデントに見舞われる。突然の肺気胸で1カ月の入院を余儀なくされたのだ。
「3週間は寝たきり。でも、どうしても初舞台を踏みたい!と先生に無理を言って、根性で治しました。初日と2日目は病院から劇場へ通ったので、幕が開いた瞬間は全く覚えていません。とにかく無事に舞台に立てたことがうれしかった」
その公演後に星組に配属になる。初めてセリフをしゃべったのは宝塚バウホール「ドリアン・グレイの肖像」(8年)。初めての大きな役はバウの「ディーン」(10年)でヒロインの婚約者役だった。11年には大劇場「WESTSIDESTORY」の新人公演で、ダンス力が際立つアクション役をエネルギッシュに演じて注目される。
そして14年に「
プラハの春」の堀江亮介役で、待望の新公初主演を果たす。「スポットライトの強さが違うことに気付きました」
2007年の涼紫央の記事
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病を克服して立った初舞台:タカラジェンヌ 夢の軌跡(1)
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新公卒業後は役柄を通して勉強:タカラジェンヌ 夢の軌跡(2)
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“ベルばら”がターニングポイント:タカラジェンヌ 夢の軌跡(3)
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